通常国会を振り返る
次期国会で「後期高齢者医療制度廃止法案を設立へ」


高畠地評事務局長に聞く

 昨年の臨時国会に続き、民意が国会を動かす歴史的とも言える衆参ねじれ国会第2ラウンドを振り返ってみたいと思います。6月21日予算審議などをおこなう169通常国会が終了しました。この国会では政府提出の80法案のうち、63法案しか成立しませんでした。

 ガソリン税での攻防
   与党の再議決で値上げ

 ガソリン税の暫定税率をめぐる攻防が繰り返されました。1月29日に与党は、ガソリン暫定税率の期限を事実上10年間延長するための「つなぎ法案」を提出。国民の怒りの声が集まる中で、議長斡旋という形で取り下げとなりました。2月29日には衆院本会議で08年度予算案を強行可決。3月28日に参院本会議は同案を否決。31日には道路特定財源の根拠法が失効、ガソリン税暫定税率も失効。翌日からガソリン価格の値下げとなりました。

 参院に法案を提出してから60日を経過した4月30日に衆院でガソリン税暫定税率の再議決を強行。昨年のイラク新法に続く暴挙でした。この法案は、大型公共事業などにかかわるもので、「ムダな公共工事は必要なし」という世論のなか、与党は5月13日、衆院本会議で道路特定財源を復活、10年延長の再議決を強行しました。これによって、再びガソリン価格が引き上げられました。こうしたなかで、福田首相は、「道路だけに使途を限定する特定財源を廃止…生活者財源へと転換する」と表明せざるを得なくなりました。政府方針の大転換です。

 派遣法改正案出揃う「日雇い派遣禁止で一致」
 また2月8日、共産党の志位委員長は労働者派遣法の抜本改正を迫る質問をおこない、派遣労働者など多くの国民の共感が寄せられています。
 全労連などの派遣法改正をめざす共同の集会ももたれる中、各政党の派遣法改正案も出揃ってきました。日雇い派遣禁止では一致しながらも、登録派遣について共産党、社民党などは派遣対象業務について限定すべきと抜本改正を求めるものの、民主党は、「雇用期間2ヶ月以下の派遣禁止」など食い違いを見せています。しかし、5月23日野党4党は、労働者派遣法改正に向けた政策協議を開始していくことで合意しましました。

 労働者のたたかいやこうした国会での追及に、大企業も派遣社員から期間工という制限付きですが、直雇用へと転換せざるをえなくなってきています。福田首相も非正規雇用の増加は「好ましくない」と応えるなど次期臨時国会では派遣法抜本改正をめざすたたかいが重要になっています。

 4月1日から始まった後期高齢者医療制度に対して、国民から大きな怒りの声が上がりました。東京でも3月28日に井の頭公園で1万3千人の反対集会がおこなわれました。
 こうした国民の声を受けて5月23日、野党四党は共同して「後期高齢者医療制度廃止法案」を提案。6月6日に参院本会議で可決。衆院にまわったこの法案は、継続審議となりました。また、6月11日には、参院で福田首相問責決議案を可決。しかし法的拘束力がないために福田首相は無視を決めこみ、民主党、社民党、国民新党は、審議拒否に入り、「後期高齢者医療制度を早く廃止してほしい」という国民の期待にこたえることができませんでした。