墨田区・時間額マップ(2007年1月)作成にあたって
  誰でも時間額1000円以上に
2007年2月14日・中村和良:文責

  最近の国会討論等を聞いていると、「誰でも1000円」が現実的課題になった感があります。正規雇用労働者の減少と非正規雇用労働者の激増、青年層では2人に1人が非正規雇用労働者となり、いわゆる「フリーター」という用語が誕生して20年になる今、中高年フリーターも存在し、この人たちは年収100万円台で、格差拡大と貧困化の矛盾が集中しています。「誰でも1000円」は、正規雇用労働者と非正規雇用(パート)労働者との均等待遇とあわせて、緊急の課題となっています。

職種   2001.1  2002.1  2003.1  2004.1  2005.1  2006.1  2007.1 
    件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額
1 一般事務、他
12
1002.5
10
930.0
16
954.4
14
890.7
19
1075.8
16
1050.6
10
1065.0
2 店内販売、他
7
828.6
13
842.3
17
824.7
19
835.3
24
855.4
21
841.9
24
869.2
3 ホールスタッフ、他
8
987.5
13
880.0
13
922.3
8
882.5
9
988.9
14
959.3
10
955.0
4 調理補助、他
7
877.1
10
876.0
16
866.9
13
906.9
16
882.5
17
870.6
15
875.3
5 清掃、他
4
950.0
2
900.0
8
950.0
10
905.0
14
921.4
17
952.9
16
960.6
6 軽作業、他
12
980.4
12
962.5
8
900.0
13
892.3
16
935.3
13
975.4
13
1046.2
7 電話受付、他
2
1450.0
1
1000.0
4
910.0
3
916.7
7
1157.1
5
1216.0
2
975.0
8 金融機関事務
8
993.8
3
876.7
3
1013.3
2
905.0
2
1030.0
4
1162.5
1
1500.0
9 介護・医療、他
4
1012.5
7
1085.7
7
1028.6
7
1050.0
9
988.9
26
1240.4
9
1300.0
10 その他
2
900.0
7
871.4
10
961.5
8
955.6
10
1046.0
11
881.8
5
924.0
合計  
66
963.3
78
913.1
102
916.1
97
901.0
126
963.3
144
1001.9
105
980.3

  墨田労連は、「誰でも時間額1000円以上に」の運動を促進するために、墨田区・時間額マップづくりの作業を初めて7年目になりました。
  区内の時間額状況をつかむために、求人チラシ(アイデム)の募集広告から、墨田区に勤務場所があり、時間額での提示があるものを抽出して作成してきました。2001年1月から、毎年1月分の求人チラシでの集約をしてきました。継続的に行うことで、求人チラシを通して、募集企業が何を求めているのか、シフト勤務と称して24時間働く異常な社会、正規雇用形態から非正規雇用形態への置き換えなどが見えてきます。

  今回(07年)の集約では、募集時時間額の単純平均額は980円となりました。傾向は昨年度と大きく変わっていませんが、「店内販売」や「ホールスタッフ」といったコンビニやファミリーレストランなどの職種でも7年間の推移をみると、時間額での若干の増になっています。 (下記の表を参照)  時間額の多くが800円台から900円台、1000円台と、ここで84%を占めています。墨田区・時間額マップ(07年1月)の概要は次の通りです。抽出したのは、97事業所・105職種(件)です。  職種別に分類すると、「一般事務」10件、「店内販売」24件、「ホールスタッフ」10件、「調理補助」15件、「清掃」16件、「軽作業」13件、「電話受付」2件、「金融機関」1件、「介護・医療」9件、「その他」5件となります。

  募集時時間額の単純平均額980円、最高値は1800円、最低値は750円です。1000円以上は37件(35%)で、100円単位で分類すると、800円台が32件、900円台が35件、1000円台が21件です。
  職種の関わりで募集時時間額を見ると、「店内販売」、「調理補助」の職種は、多くが800〜900円台です。一般事務は1000円以上が6件と半数を超えています。
  時間額以外の待遇については、広告スペースとの関係で、正確性に若干の疑問があるものの、一定の傾向が分かればと集約しました。
  交通費の支給は、91(86.7%)で支給。社会保険の加入は、26(24.8%)で加入手続き有り。昇給制度の有り36(34.3%)、賞与(慰労金含む)有り10(9.5%)、このほかに昼食費補助や各種割引制度などがありました。
  なお、有給休暇の有りが9(8.6%)と、昨年の20(13.9%)から見ると後退していました。労働基準法では勤務日数・時間の条件が満たされれば取得できるのですが、「有給休暇有り」の明記が減少しているのが危惧しました。

  最後に、墨田労連はこの集約結果を、墨田区役所や行政機関などをはじめ、ニュース・チラシ等で周知してきました。いま、開催中の国会では、「労働法制国会」といわれるなかで、「最低賃金制」や「パート労働法」の見直しなど、政府与党からも制度の改善を求める意見が出てくる状況になっています。いま、非正規雇用(パート)労働者の急増と、労働の流動化のなかで、全国一律最低賃金制の確立、非正規雇用労働者の均等待遇問題など、「働くルール」を早急に確立するために奮闘します。
                                        以 上