東京地評セミナー開催
グローバル化と貧困・格差の日本を改革する労働運動と
ローカルセンター、ナショナルセンターの役割
 

多数派への展望を探求し、実現を
 東京地評は、7月21日〜22日、全労連ホールにてセミナーを開催しました。これは、第10回定期大会に提起された「全労連加盟問題検討委員会の報告」に基づいて開催されたもので、労働者と国民に立脚した多数派を形成する展望を探求し、それを実現するためのローカル/ナショナルセンターの役割とあり方を討論することを目的として開催しました。26組織からのべ95人が4人の講義を聴講し自由討論を行いました。

「20年間」の変化を正面から捉える

 セミナーは2日間にわたり、4人の講師を迎えて、日米同盟中心の政治経済体制の深化や産業構造、階級構成の変化、労線再編後の全労連運動の役割について、グローバル化、貧困・格差の増大をキーワードにした連続講演を開催しました。

「日米同盟は米国を基軸とする世界システム構築への足がかり。財界の世界戦略と合致している。」(横国大教授・萩原伸次郎氏)、「新中間階級、労働者階級の特性に注目した組織化戦略が必要」(桜美林大教授・藤田実氏)、「逆輸入主導の日本型グローバル化は円高で儲かる仕組み。内需産業の輸入産業化からの転換が必要」(駒沢大教授・吉田敬一氏)、「全労連は人間的な労働と生活の実現と階級的強化に必要な存在。地方組織がその要となる」(労働総研・熊谷金道氏)と、各講義では、直近の二〇年間の変化と現況を正面から分析・把握した内容が語られました。

 

展望を探求し、実現するための組織づくりを

 講演会後の「発言のひろば」では、事前に寄せられていた文書意見とあわせ、8単産1地域から感想や意見が寄せられました。「講義は方向性を示唆するものだった」「地域専従者と運動を支えられる体制が必要」「組合員の要求を受け止める環境が労組の求心力を生む」「職場組織のてこ入れは待ったなし」「働くものの立場にたった運動は閉じこもっていては進まない」といずれも率直な意見でした。
 会場発言を受け、高畠副議長は「賃金、労働条件の改善運動だけでは突破できない、様々な問題が生まれている。労働運動はそれに対抗することができるのか、対抗する力をつける運動と組織化をどうつなげるのかをいうことが今一番考えなければならない。この認識を一致させ、ローカルセンター/ナショナルセンターの役割を解明していくなかで、加盟問題の解決の道もみえてくるのではないか」とまとめました。

東京靴工組合
TPPから革靴産業守れ

 関税割当制度に移行した86年以来、外国製革靴の輸入は激増し、履き物全体では現在年間6億足を超える勢いです。すでに外国製が国内革靴産業を圧迫している状況にあります。

こうしたもとで、包括的に貿易障壁を撤廃しようとするTPPに参加することになれば、まさに存亡の危機という事態となり、そこで働く労働者にとっては、雇用・生活の危機に直面することとなります。

 東京靴工組合は、節目を逃さずに、談話や声明を発表するとともに、学習を基礎にした参加反対署名を中心としながら運動を進めてきました。そして、この力を背景にしながら、経産省や東京都など関係自治体との交渉を進めています。
 TPPは国民経済に多大な悪影響を与えます。経済主権を守り、確立するために、産別を超えた闘いとともに、幅広い階層との共同を引き続き進める決意です。


新しい旗のもと東京地本を結成
郵政産業労働者ユニオン


 7月22日、郵政産業労働組合と郵政労働者ユニオンの両東京地本は組織を統一し、新たに郵政産業労働者ユニオン東京地本を結成しました。全労連、全労協の違いを乗り越え、統一協議と春闘統一ストライキなど共同行動の積み重ねの成果としての新たな船出です。
 新しい旗のもと団結し、非正規社員の正社員化など郵政産業労働運動の発展をめざしていきます。



シリーズ ザ・地域主権改革
ハローワーク地方移管 狙いは民営化

 政府の地域主権戦略会議は10年12月、「アクション・プラン〜出先機関の原則廃止に向けて〜」を策定し、最重点分野として、直轄道路、直轄河川、公共職業安定所(ハローワーク)を掲げました。この中では、ハローワークにおける職業相談等と、自治体における福祉相談等を一か所で行うことが決められ、現在、全国約60施設で開始されています。

 この「一体運営施設」は、国と自治体が連携を図りながら進めるものですが、一方で非効率な実態も報告されています。

そもそも、現在の労働市場圏は都道府県や市町村で完結するものではなく、例えば、東京のハローワーク管内の求人は、他県からの就職が約四割となっています。また、ハローワークでは、雇用保険業務と職業紹介業務を一体不可分で行っており、労働基準監督署や雇用均等室、労働局との連携も不可欠です。

 他方、地域主権戦略会議は11年12月、「特区制度を活用し、試行的に東西一か所ずつハローワークが移管されているのと同じ状況をつくる」とする「ハローワーク特区」の実施を決めました。5月7日には、特区の大枠や、これを埼玉県及び佐賀県で実施することが合意されました(10月の開始を予定)。

 しかし、こうしたハローワークの地方移管を求める知事等は、必ずしも国民・住民の適職選択権(憲法22条)や勤労権(憲法28条)を保障するとの観点に立っていません。むしろ、埼玉県の上田知事は、以前にもハローワークの地方移管を求めましたが、その際、「地方移管後には民間委託も可能としたい」などと述べています。

実際、人材ビジネスは、職業紹介業務の民間開放をさかんに求めてきました。しかし、この間実施された「市場化テスト」や「官民共同窓口」では、ハローワークの実績が民間事業者を圧倒し、国の優位性が明らかになっています。上田知事は事実誤認に基づくバッシングを繰り返し、ハローワークの地方移管をねらっていますが、民営化を視野に入れた主張は、国民・住民にとっても危険極まりないものです。

 私たち全労働は、労働者の権利保障を十分に行うため、国の責任によるハローワークの運営を求めていきます。(全労働 津川剛)