民間労働者も公務員も毎年のように賃金が引き下げられています。賃下げ連鎖の深刻な拡大は消費購買力を落ち込ませ、日本経済そのものをも冷え込ませています。いまこそマスコミの激しい公務員バッシングをはねのけ、官民の共同で賃下げ連鎖を断ち切る壮大な運動が求められています。

賃金闘争勝利 都教組・都障教組決起集会
(10月28日 都庁2庁前広場)
  国税庁の「09年度民間給与実態統計調査」によれば、民間労働者の年収は対前年比23万7千円という大幅な減収です。一方、国家公務員も地方公務員もマイナス勧告で年間1人平均約10万円の賃金引き下げとなり、ここ10年間では70万円ほどの落ち込みです。

大幅な公務員定数削減でも
国の借金は増えるばかり

 まさに賃下げ連鎖の深刻な拡大です。賃金引き下げによる消費の落ち込みは日本経済そのものを冷え込ませています。これまで政府は「財政の健全化」を理由に、国家公務員賃金の引き下げを人事院に求め、定数も徹底的に削減してきました。政府は国家公務員の数を2001年以降、部局の削減・縮小、民間化や独法化で2009年までに約50万人減らしました。
 ところが、この間に国の借金は513兆円から652兆円に、何と139兆円も増やしてきました。民主党政権下は、でこれがさらに加速しています。国家公務員の人件費は国の予算の6%にも満たないものです。ここに大ナタを振るっても、国の財政の健全化は望めません。軍事費やムダな大型公共投資、大企業・富裕層優遇税制、これらにメスを入れてこそ財政健全化が図れるというものです。

また国民に「痛み」を与える「地域主権改革」

 民主党政権が「改革の1丁目1番地」と位置付けている「目玉政策」は、ちょっと聞き慣れない言葉ですが、「地域主権改革」です。ここでも公務員の人減らしが念頭にあります。 国民はこれまで「改革」の名で、耐え難い「痛み」を強いられてきましたが、「地域主権改革」で、地域と国民はどうなるのでしょう?「地域主権改革」は、国の責任を外交や防衛、マクロ経済政策などに限定して、保育や福祉、教育、社会保障など国民生活に身近な問題は住民の「自己責任」と地方自治体に丸投げするというものです。「地域主権改革」では国の出先機関の廃止が原則です。ハローワークや労働基準監督署や登記所、地方整備局、地方運輸局、農政局など、国民の安全や雇用、防災に深く関わりを持つ仕事から撤退するというのです。  地方に対しては、国の補助金を廃止し、一括交付金制度にしたいのが政府の考えです。補助金の八割は保育、教育、福祉の分野です。地方への予算総額を減らし、その上での一括交付金では保育、教育、福祉施策の水準は維持できなくなります。 また、「義務付け・枠付けの撤廃」と称して、国が定めている最低の基準をなくそうとしています。これでは国にナショナルミニマムの保障を義務づけた憲法二五条違反です。

国民要求を正面に据えて官民共同で「国民春闘」を

官民共同総行動の霞ヶ関・虎ノ門デモ
   菅民主党政権下での諸施策を検証すると、小泉「構造改革」の復活・強化・加速を思わせます。大企業や一部の富裕層を除けば、雇用の問題でも、賃金の問題でも、保育・教育・医療・福祉の分野でも、中小企業の経営をとってみても、官民を問わず全ての労働者と圧倒的多数の国民は、政府によって「耐え難い痛み」を強いられています。それがこれからも続きそうです。しかし、このことは客観的には労働者と国民の団結の条件を広げています。「国民春闘」という言葉が使われて久しくなりますが、国民要求を正面に据えて官民の労働者が団結し共同を広げ、旺盛な運動を展開することが今こそ私たちに求められています。





 三多摩雇用問題懇談会 地域主権改革学習交流会
講演する白藤博行専大教授

 第19回三多摩雇用問題懇談会は、10月22日に「地域主権改革三多摩学習交流会」を開催し、職場、地域から三二人が参加しました。 吉田健一弁護士(三多摩法律事務所)が主催者挨拶し、専修大学教授の白藤博行氏が「地域主権改革の諸問題」と題して講演しました。 白藤教授は、「地域主権」と言いながら、対象とされる地域は、住民に身近な行政を行なう「地域自治体」とはかけ離れた、道州制を含めた市町村合併を進めた「広域地域」であること、また、国や地方行政が安易に民間委託できるように正当化し、自治そのものを破壊するという問題点を指摘しました。参加者からは、各市町村で起きている民間委託業務の実態が報告されました。 参加者全員で「地域主権改革」の中身を多くの労働者に広げていくことを確認し、交流会を閉じました。