今年度の最賃の取り組みは、7月2日に中央最低賃金審議会に長妻厚生労働大臣が諮問を行い本格化しました。
情勢報告する影山政行東京春闘共闘事務局次長
(7.7第4次最賃デー 厚労省前)

 長妻大臣は、諮問にあたって、@生活保護とのかい離の解消、A6月3日の「雇用戦略対話」で当時の鳩山首相、菅大臣、日本経団連、連合で合意した「2020年までの目標として、できるだけ早い時期に全国最低時給800円を確保し、景気状況に配慮しつつ全国平均千円を目指す。前提条件として2020年まで名目で平均3%経済成長率の確保」を重視してほしいとあいさつしました。
 「雇用戦略対話」の内容は、最賃千円実現の10年引き伸ばしや前提条件をつけていることは評価できませんが、全国平均千円を言わざるを得ないことは私たちの運動の成果です。また、政府は最賃引上げに当たり、厚生労働省と経済産業省(中小企業庁)で中小企業への支援のあり方のプロジェクトチームを作っています。東京の地方最低賃金審議会も7月2日に開催され、東京労働局長は、「雇用戦略対話」の合意を踏まえて審議してほしい旨あいさつしました。

昨年を上回る5万6千筆の最賃署名集約
 私たちが1月から取り組んだ「全国一律千円目指す最賃法の抜本改正署名」は、@貧困・格差是正で景気回復、A昨年衆議院選挙で自民党以外の政党は千円又はそれ以上の引上げを公約していたこと、B東京では最終的に1200円が予想され初任給の引上げにプラスになること。また公務の職場では、東京の初任給引上げが全国に波及すること、C年収200万円以下の「働く貧困層」1725万人は自分の子供などにもおり、家族のくらしと雇用を守ることになることを訴えて署名運動を展開してきました。
 現在の集約では5万5千914筆で昨年実績を上回り、要求の根強さを示しました。

中央7月29日、東京は8月5日に答申予定
中央最低賃金審議会に対して要請行動(7/7)
  今年の特徴点は、@最賃法9条の生活保護との整合性に関して、東京労働局が示した金額に対してすでに2年間違法状態にあることです。かい離の解消として最低35円の引上げが求められます。A「雇用戦略対話」の合意事項を重視するもとで審議が進みます。B自治体の最低時給が「東京の最賃」にへばり付いていて官製ワーキングプアを生み出している実態にある(昨年12月の自治体アンケートの結果)もとで<最賃引上げの運動が行われることにあります。

 中央最低賃金審議会の答申日は7月29日、東京地方最低賃金審議会の答申日は8月5日の予定になっています。現在取り組んでいる中賃・地賃向けの団体・個人署名を、「最賃法抜本改正署名」の教訓を生かし、正規も非正規労働者も参加する署名運動に発展させ、私たちの声を審議会に届けましょう。第2次集約は7月16日、第3次集約は7月末です。

 また、7月28日は、第5次最賃デーとして昼、日比谷野外音楽堂で決起集会、省庁前要求行動、デモ行進など答申日目前の大行動を展開します。さらに、8月3日の地賃の審議日に合わせて審議委員に「公正な審議」を求めて東京労働局前で座り込みも実施します。文字通り「貧困・格差是正で景気回復を」勝ち取りましょう。

動きだした 公契約条例制定運動
野田市の制定がはずみ

 公共工事や自治体の業務委託などで働く労働者の賃金確保をめざす公契約法・条例制定運動は、昨年9月に千葉県野田市が日本で初めて「公契約条例」を制定して以降、運動にはずみがついています。
 建設不況のもと、相次ぐダンピングで賃金が下がり続ける建設労働者にとって念願の課題です。また、指定管理者制度のもと、競争入札で働く労働者にも切実な課題となっています。

国分寺市の公共調達条例素案
 条例制定をめざす各地の動きは、国分寺市が3月に「公共調達条例素案」を発表し、説明会、意見聴衆などを経て12月議会に上程、2011年度より施行を予定しています。特徴点は、賃金の適用範囲を労働者だけでなく1人親方まで広げたことです。小金井市は2012年度施行予定。東久留米、多摩市は市長が制定を公約しています。世田谷区は全ての政党、事業主団体が運動体に参加し、江東区も全ての政党が参加。葛飾、練馬、豊島区で運動の再開、開始をしています。川崎市は9月制定の動きとなっています。新宿区では公共サービス基本法を基に「従事する者の適正な労働条件の確保」のため、賃金・労働条件の調査の具体化に乗り出しました。


 法律の「公共工事報酬確保法案」は公共工事に限定していますが、最低賃金ではなく熟練労働者の賃金確保をめざしています。
 先の野田市は、4月から施行しての課題として、職種別賃金基準の設定の検討、業務委託の継続雇用、受注者から下請業者への適正な請負金額の確保、について9月議会に条例改正を提案するとしています。

 公的規制は、強権的な法規として規制するものと、民事的なものとして双方の合意の形成によって行うものがありますが、公契約条例がめざしているのは後者であり、契約自由の原則に立って、契約内容に労働条項を設定し、あくまでも双方の合意を基本にしているもので、極めて有効な制度です。