社保庁解体は何をもたらすか
         職員525人の解雇を強行

 今年1月1日、社会保険庁・社会保険事務所が廃止され、日本年金機構が発足しました。
 職員定数を約2500人削減し、民間人1000人を採用。
 525人の職員が分限免職(=整理解雇)されました。

職員525人の解雇を強行

2009年12月28日(厚労省前行動)
  「老後の命綱」、それが年金です。日本年金機構の発足で年金制度は「改善」されるのでしょうか?「答え」は「NO」です。日本年金機構が発足しても、年金制度が改善される点は全くありません。保険料の大幅負担増と給付額の削減という二〇〇四年の年金大改悪は温存されたままです。さらに、今後は保険料の徴収や記録管理、給付・相談等の業務がバラバラにされ、毎年の競争入札によって民間業者に業務委託されます。これでは、年金業務の安定的で正確な運営や個人情報の保護が危ぶまれます。

 焦眉の課題である「宙に浮いた年金記録」、「年金再裁定」、「年金特別便」、「年金記録の再突合」の事務処理も、525名の整理解雇を含む25000人(12566人から10069人)に及ぶ職員の削減の中で、正確で迅速な処理は困難になります。

 年金問題を一層複雑にしているのが、民主党の政策の一貫性のなさです。選挙前までは「日本年金機構凍結」、それが「凍結解除」に代わり、昨年12月22日に閣議決定した税制改革大綱では「日本年金機構」廃止を明記し、それに代わって「歳入庁」設立を謳っています。年金業務を「歳入庁」で実施するとすれば、数年後にまた同じ問題が発生します。分限免職(=整理解雇)撤回と、消費税によらない最低保障年金制度の確立など年金制度の充実を求め、今こそ運動を強化することが求められています。

【分限免職】
 国家公務員法上では、職員を解雇する場合「懲戒免職」(国公法82条)と「分限免職」があります。「分限免職」とは民間の整理解雇に相当します。国公法78条の4項で、「廃職」や「過員」が生じた場合と定めていますが、1964年に2事例6名に発動されて以来、分限免職の事例はありません。


派遣法でシンポ 問題が多い改正答申

**
   昨年12月28日、労働政策審議会が厚生労働大臣に対して、労働者派遣法改正についての答申を提出しました。それを受け、全労連・労働法制中央連絡会は、1月21日「派遣法抜本改正シンポジウム−人間らしい働き方を求めて−」を開催しました。はじめに、大黒作治全労連議長が「労政審答申の問題点を学び真の抜本改正に向けて取り組みを強めよう」と開会挨拶。

 シンポジウムでは大橋範雄大阪経済大学教授が「ドイツでは派遣労働者も正社員も働き方は同一。違反したら自動的に直接雇用とみなされる。『見なし雇用』が確立している。答申にはこの視点が欠けている」と指摘。鷲見賢一郎自由法曹団幹事長は「製造業の派遣は問題が多すぎる。常用型派遣を認めていることは大問題で、製造業への派遣は全面禁止が必要」と答申の不充分さを発言しました。

 また、“派遣は女性の要求”という財界の主張に対して笠井貴代美新婦人副会長は、「多くの女性は安定した雇用を求めている。出産・育休切りなどの違法を正すことが大切」と訴えました。
 会場からは「事前面接の解禁は許せない」「直接雇用の担保が無いのは問題」「登録型派遣は原則禁止だが、例外規定があり危険」などの意見や闘いの報告がされ、派遣法の問題点が浮き彫りになりました。 最後に派遣法の抜本改正に向け、政党・議員要請などを早急に強める取り組みが訴えられました。