■第187回 2020/6/15

   オルグの現場から 153
  相談機関を回る労働者への支援は

◆「うちの会社はブラックだ」相談者からよく聞く言葉である。ある大手企業のビルに入っている業務委託会社に勤務する女性は、入社してすぐに直属の上司からパワーハラスメントを受けた。本人はブラック企業にあたったと言う。最初の契約更新までは我慢しながら働いていたが、更新後にいろいろな相談機関に行って相談し、会社とも話し合いをした結果、その上司は異動になっていなくなった。◆でも最近はこれまでと違う嫌がらせを受けているという。自分ではこの会社でずっと働くつもりだが、そもそも次の契約更新がされるか心配だ。もし雇い止めになったらと、その時のための労働組合を探しているというのが相談内容だった。そこで、勤務場所の企業と同じ業種の労働組合に、非正規も入れる個人加盟があるはずだから、と紹介をした。◆さらに話を聞いていくと、以前勤務していた会社では、労働組合に加入をして交渉し、未払いの残業代と解決金を支払わせたこともあったとのこと。「その組合にそのまま入っていれば良かったのに、なぜその組合に残らなかったのですか?」「だって、次はブラックでないところで働くつもりだったから」との回答。◆彼女は、離婚してからはブラックばかりで、私はブラックばかりにぶつかると嘆いていた。しかし、中高年の女性の再就職はほとんど非正規雇用というのが現実だ。明確な労働基準法や労働契約法の違反やジェンダーに関わる問題が、見えにくくなっているのではないかと感じる。納得できる解決を求めて、あらゆる相談機関をまわっている労働者もいる。いろいろな支援が求められている。佐伯芳子(東京地評労働相談員)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)