■第179回 2019/9/15

   オルグの現場から 145
  地域ユニオンは地域の駆け込み寺

◆人手不足によってパート従業員が日常的な残業を強いられるケースが多い。Aさんは、パチンコ店B社で、2012年以降、1年契約で1日4時間という雇用契約を更新していた。しかし、契約を結んだ当初から8時間を超える労働が常態化。労働実態を反映して、厚生年金や健康保険にも加入していた。しかし、雇用契約だけは1日4時間で反復更新していた。◆Aさんが、退職するにあたり有給休暇を取った際の賃金が、契約書記載の1日当たり4時間分で支給され、不審に思い、知り合いの組合役員に相談しにきた。聞き取りの段階で、残業代の1日15分未満の切り捨てや、終業が深夜0時を過ぎることが常態化していて24時間の休日が確保されていないなど、違反状態が確認された。◆交渉で会社は、契約書に記載された1日当たりの賃金を支払うことは法で示された方法であり、違法性はないと主張。組合側は、実態として例外なく8時間以上働いており、会社作成のシフト表でも4時間勤務が示されたことは一度もない。契約の実態はシフト表に基づき8時間労働することで合意されていたか、または事実たる慣習が成立しているとみるべき。有給休暇の賃金が通常の半額となることは有給休暇の取得を経済的に抑制することにもなり、8時間分を支払うべきだと主張した。さらに、残業代も過去2年間遡及して1分単位で支払うことなどを求めた。◆数回の交渉の結果、有給休暇の賃金8時間分(差額)と未払い残業代相当額等を、会社側が解決金として支払うことで合意となった。非正規労働者のささやかな、しかし大事な要求を解決することも地域ユニオンの役目だ。北村博昭(CU三多摩協議会書記次長)

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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)