■第158回 2017/9/15

   オルグの現場から 126
    ドレイ工場とならないために
        組織拡大・強化を最重要課題に

 退職トラブルによる労働相談が増えています。退職は一般的に(有期を除き)いつでも解約の申し入れすることができ、「雇用は解約の申し入れ日から二週間を経過することによって終了する」(民法六二七条)とされています。会社が一ヶ月前と就業規則や雇用契約書で定めたり、人手不足を理由に退職を延期し、人が補充されれば退職を認めるというのは違法です。◆退職届に退職日と理由を書き添え会社に送付すれば、会社は退職手続きを開始しなくてはなりません。最近、情報漏洩を防ぐ事を理由に退職後も機密保持を約する「誓約書」にサインをさせる所が増えてきていますが、これは違法です。また、退職証明書に労働者からの請求項目以外の事柄の記載や次の就労先を妨害する事項を書き込むこと(労基法二二条四項)も違法。さらに契約時に明示した労働条件が実際の労働条件と違う場合は、即日労働契約を解除出来る(労基法十五条二項)とされています。◆ところが多くの労働者はこれらの事実を知りません。東京都産業労働局発行のポケット労働法の普及拡大と、個人加盟労組での労働条件学習の必要性を痛感しています。電話相談を通じて見えてきたのは未組織労働者の過酷な実態と雇用に対する無責任な経営手法が多いこと。◆今日職業選択が会社選択に変わり、いつのまにか会社・事業所が労働者の仕事を決定するシステムが作られています。ある日気づいたら自分の職場でものが言えない「ドレイ工場」とならないためにも、全ての企業・事業所に労働組合を作ること。そして労働組合の組織拡大・強化を全組織を挙げて取り組むことが緊急の課題です。池田吉人(東京地評労働相談センター相談員)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)