第156回 2017/7/15

   オルグの現場から 124
    働くルールに基づく「試用期間」設定を

 最近、正社員で採用されたものの、入社二日前に突然電話で「試用期間は契約社員と言われた」等、「試用期間中」の身分変更に関する労働相談が増えています。労働法規上、労働契約は「使用者と労働者の合意により成り立ち、変更することが出来る」もので、使用者が一方的に変更することは違法。しかも、入社ぎりぎりの変更など論外です。◆ところが労働政策研究・研修機構の調査(六千社回答)では、試用期間を導入している事業所の約四割が正社員採用の際「試用期間」は有期契約、今後導入を検討したいと回答。うち約七割は試用期間後に雇い止めしました。◆試用期間を有期契約にし、期間後契約解除する手法について、判例では「試用を目的とする期間の定めをした労働契約において当該期間満了でも契約は当然終了しない」と判断。有期契約でも試用期間であり、「解約権留保付雇用契約である以上、試用期間終了による契約打ち切りは解雇権濫用。試用の性格上反復更新は予定されておらず、労働者の就労への期待感は通常の期間の定めのある労働契約よりも格段に高い」(神戸弘陵学園事件最高裁判決)として違法としています。◆労基法上、試用期間中の解雇は禁止されているものの、期間の設定・内容等は企業の裁量に任されています。パート・アルバイト、有期雇用にも試用期間導入という悪質な指南をするビジネス、「トライアル雇用助成金」目当てで採用し、一定期間が過ぎると解雇を繰り返すブラック企業も横行しています。こうした悪質な手法を無くす為にも、働くルールに基づく試用期間設定を労働組合として求めていくことが焦眉の課題です。池田吉人(東京地評労働相談センター相談員)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)