■第155回 2017/6/15

   オルグの現場から 123
    自由に有休消化できる職場・社会へ

 最近「定期的に休みがとれない」「休むと周りから嫌な顔をされる」といった休日・有給休暇に関する労働相談が増えています。◆昨年九月に総合旅行サイトのエクスペディア・ジャパンが行った「有給休暇の国際比較調査」(世界二八ヶ国)によれば、有給休暇の支給日数はブラジル三〇日を最高に、日本は二〇日間(調査国八位)。ところが消化日数は一〇日間で、取得率は最下位の五十%です。消化できない理由は、「人手不足」「同僚が休んでいない」「お金がない」「休みを取ることに罪悪感がある」など。昨年の厚労省の調査でも取得日数は八・八日でした。◆年次有給休暇についてヨーロッパと日本とを比較すると、ヨーロッパ諸国では、労働者の当然の権利として強制取得が義務づけられています。一方、日本では「事業の正常な運営を妨げること」を理由に有給休暇取得拒否権が経営者に付与されています。中小零細企業・事業所ではこれを拡大解釈して、繁忙期や人手不足であれば休暇が取れなくても当然との誤った風潮があります。従業員にも「休暇‖罪悪感」という事態が生まれ、労働者の権利としての有給休暇取得が喪失しているのです。◆権利としての考え方を周知徹底すると同時に、休暇が自由にとれる職場・生活環境へと変えることが大切です。会社は業務量全体の見直し・増員を計ること、残業や休日出勤しなくても生活できる賃金を保障することで休暇が自由に取れる職場環境が実現出来ます。これらを労使で実現することが必要です。政府は労働者の負荷を高める「働き方改革」ではなく、労働の実態を直視した改革を実現することが緊急に求められています。池田吉人(東京地評労働相談センター相談員)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)