■第154回 2017/5/15

   オルグの現場から 121
    女性が輝くには総合的な施策が必要

 「妊娠し、つわりが酷いので休みたいと休業を申し出たら上司から断られ、退職を強要された」。こうした相談事例は、まれではなく、マタニティーハラスメント(マタハラ)、セクハラにより女性の権利が職場で失われています。◆女性労働者の出産について日本の法律では、「出産予定日の六週間前(多胎妊娠は一四週間前)に本人が請求すれば休業を与えなくてはならない」(労基法六五、六六条)、男女雇用均等法には「婚姻・妊娠・出産を理由とする解雇及び不利益な取り扱いの禁止」(均等法第九条)があります。◆ところが、産休中の給与支給は専ら企業・事業所に委ねられ、多くは「ノーワークノーペイ」の考え方から無給。国や自治体の補助などがあっても、「安心して子育てできる」とは言えません。◆日本貿易振興会(JETORO)の「欧州各国の雇用制度一覧」(二〇一六年一〇月調査)によれば、欧州各国では、日本のような本人の申告制ではなく、出産・育児休暇日数が法律で定められています。イギリスでは出産前ケア休暇、出産休暇、不利益扱い・解雇からの保護があり、何れも賃金支給が義務。フランスでは二人目以下は一六週間、三人目以上は二六週間が出産休暇。産休中は健康保険、助成金庫から休暇手当が支給され、産休中の解雇の禁止や父親休暇(休暇手当支給)も。オランダやドイツも同様に産休中の給与が支給されています。◆安倍内閣は、「女性が輝く社会」を重要課題としていますが、女性蔑視の風潮を一掃し、女性が自立できる職場環境、子どもを生み育てる社会的支援制度の確立、全てが一体となってこそ女性が輝く社会が実現するのです。池田〓人(東京地評労働相談センター相談員)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)