■第151回 2017/2/15

   オルグの現場から 118
    長時間労働は上限規制だけではなくせない

 電通事件以後長時間労働が大きな社会問題となるなか、政府は長時間労働の是正を時間外労働の上限を決め実施していくとの検討に入っています。◆長時間労働はなぜなくならないのでしょうか。それは、「仕事そのものが残業=長時間労働を伴うもの」との考えに問題があります。同時に、経営者だけではなく労働者の間にも長時間労働を容認する考えが蔓延し、日本生産性本部の調査によれば二割を越える企業が長時間労働をプラス評価とするとの回答です。そこにメスを入れ正さない限り、「長時間労働」はなくなりません。◆「仕事そのものが残業=長時間労働を伴うもの」だとすれば、労働者一人当たりの仕事の負荷をどう減らすかが問われます。例えば清掃業の労働者から「ごみの回収・仕分けを一人で行った結果、時間外は月百時間以上だった」との相談を受けました。労働者を増やし仕事の負荷を減らせば時間外労働を減らすことは可能です。よく経営者は「人を増やすと『人件費』が高騰する」と言いますが、百時間の残業代を支払う方がリスクが大きくなります。◆ところが、最近残業代を免れるため「固定残業代、みなし残業代」を取り入れる企業が増えています。しかし、固定残業代が何時間分か設定されていない。給与明細に精算記録がない。そもそも時間管理がされていない等、「固定残業代、みなし残業代」の要件を満たさない企業が労働者から告発され、巨額の残業代を支払ったと報じられることも度々です。政府の進めようとしている長時間労働の上限規制だけでは本来の長時間労働規制に結びつきません。長時間労働を根本的になくせないことは明白です。池田d人(東京地評労働相談センター相談員)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)