■第149回 2016/12/15

   オルグの現場から 117
    相談は氷山の一角。安心して相談できる労働行政を

 平成27年度の東京都産業労働局の労働相談件数は、51960件(前年比2.2ポイント減)で平成18年度以降、10年連続で5万件を越えています。2015年度の東京地評の労働相談件数は2600件です。都及び地評、地域労連などに寄せられる労働相談の中身を総合的に見ると、これまでの「解雇」から「退職」に関する相談に上位が入れ替わる傾向にあります。「退職」の内訳は退職勧奨、「人手不足」の反映により退職させてもらえない等の「退職届不受理」の相談が増え続けています。◆また、職場における人間関係のトラブルや職場の嫌がらせの相談も年々増加。ある食品卸会社に務める女性は、入社後上司や同僚から仕事を教えて貰えず、「きちんと教えてほしい」と言うと「生意気だ辞めろ」と退職勧奨を受け心の病に陥りました。◆労働契約法第五条二項では「使用者は労働者の生命、身体等の安全を確保しつつ労働が出来るように配慮しなくてはならない」と記されており、使用者は安全配慮義務を履行しなければなりません。しかし、実態は儲けに翻弄され、義務が蔑ろにされているのが実態です。◆東京都全体で五万件にのぼる労働相談は氷山の一角にすぎません。「労働局にあっせんし、会社の上司からのハラスメントをやめさせようとしたら、逆に会社から嫌がらせを受けた」という相談が最近ありました。法律違反をしている会社を従業員が告発しても、不利益な取扱をすることは法律上禁止されていますが、実態はこのように異なっています。労働者が安心して相談できるためには、労働者救済の労働行政をつくることが求められています。池田吉人(東京地評労働相談センター相談員)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)