■第144回 2016/6/15

   オルグの現場から 111
    退職トラブルとその解決

江戸川区議からの紹介で労働相談を受け、事務所に来てもらいました。「どうしたら会社を退職できるのか」との話でした。◆退職したい理由を尋ねると「経験のない経理に異動させられ、間違えると上司からため息や舌打ちをされる。出勤のため家を出ようとしても一歩が踏み出せない。その後は吐き気やめまいが起こり、動悸がして過呼吸になってしまう。心療内科で鬱病と診断された」とのこと。その後、超過勤務の割増賃金の未払い、休日出勤の割増分の未払いが発覚しました。◆第一回団交で会社社長は、パワハラがあった事実を認め、今後の対処を話し合いました。退職前提になることを話すと社長は「そうなりますね」と回答。退職前提での未払い賃金を含む解決金の支払を求め、後日回答することで妥結しました。しかし回答日に「団体交渉申し入れ書」が送られてきて、回答を全く行ないませんでした。抗議を行っても回答は次回団体交渉で行なうとし、妥結事項を履行しませんでした。◆第二回団体交渉で社長は「パワハラは全く無かった」と言い出し、「労基署にでも申し立てればいい、うちは労基署には慣れているから」と言って、全てを覆してきました。「中小企業が労基法を遵守したら経営は成り立たない」とも言って、その後は全て否認し続け解決が困難なため、地裁に提訴しました。◆第一回期日前に会社は、他県にある上場会社に吸収され、会社代理人から和解の申し出がありました。再度、団体交渉を行ない新経営陣と弁護士を相手に解決要求を行い、第二回期日で調停成立。訳の分からない経営者より、弁護士が入った方が解決する事件でした。(CU東京江戸川支部執行委員 三枝繁一)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)