■第143回 2016/5/15

   オルグの現場から 110
    和解で請求額より高い賃金を勝ち取る

 弁護士から「配転問題で仮処分を行い、会社は配転を取りやめたがその後職場内でイジメ・嫌がらせを受けているので、労働組合で守ってもらいたい」との依頼を受けました。◆当該から今までの経緯を全て話してもらい、直ぐに組合加入通知書と団体交渉申し入れ書を会社に提出し、公然化を行いました。◆第一回団交を会社代理人事務所(丸の内)で開催。イジメ問題と一方的な賃下げ(二四万円から二二万円)問題、賞与の一部を社長が搾取した問題について話し合いました。会社は翌日から当該を除く事務員四人を別の事務所に移し、賃上げ問題は会社の業績悪化を理由に応じない、搾取問題は当該が社長に喜んで譲渡したと回答してきました。◆第二回目の団交を再度代理人事務所で開催するとの事でしたので、「江戸川区の会社と江戸川区の労働組合が、団交を代理人事務所の丸の内で行なう合理性がない」と指摘したところ、代理人は都労働委員会の職員あっせんに申立を起こしました。しかし、あっせん二回目で会社は取り下げ、会社の会議室で団交を行なうようになりましたが、解決の目途が立たず提訴しました。◆会社も強気でいましたが、その後国税局の査察が入り、突然和解の申し入れがありました。オルグ団で分析検証し「会社は、脱税で送検される恐れがあり、民事で不当利得などの訴訟を行なっている事が不利になる」との考えに基づいて、請求額より高い賃金に復活させる事を和解条件にしました。裁判官は「和解で請求より高い額はありえない」と言いましたが、「それ以下なら判決をもらう」と突っ張り、結果、完全勝利和解を勝ち取りました。(CU東京江戸川支部 執行委員 三枝繁一)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)