■第140回 2016/2/15

   オルグの現場から 107
     労働者を雇用する資格がない経営者

 2013年10月に賃金未払いの相談を受けた案件で現在まで解決できない事件があります。◆ご主人が未払い残業代と会社の車を業務中に破損させ、弁財を迫られた事件を2013年9月に解決させました。その後、福岡に夫婦ヨって帰郷。帰郷前の住居は市川市で、奥さんは自宅近くのクリーニング店にパートとして就労していました。◆奥さんは福岡に帰郷するため同年8月で退職しましたが、8月分賃金63600円が未払いで、督促状を郵送したら3万円だけが支払われ、残金33600円を全く支払ってもらえないとのことでした。◆CU江戸川から経営者に連絡を入れたところ、支払を行うと確約しましたが履行されず、経営者は「告訴でもなんでもやればいい」と開き直り支払を拒否しました。そこで労基署に申告し、監督官が調査したところ毎日30分の賃金を引いていた事実が発覚、請求額が約16万円に拡張しました。しかし労基署の是正指導を拒否し、打ち切りになったため、告訴状を提出、千葉地検に送検されました。◆民事では、支払督促申立を行ないましたが、相手方が異議申立を起こしたため、簡易裁判所での訴訟になり、勝訴しました。◆ところが被告が控訴したため地裁での控訴審となり、2015年6月12日に判決が言い渡されました。未払い賃金と訴訟費用と延滞金で25万円を超えましたが、現在まで支払はされていません。◆検察官から被告人を罰金刑にするとの報告があり、民事では差押を行なう予定ですが、会社、社長に資産がない状態で、自宅も婦人名義になっています。このような人間が労働者を雇用することが犯罪だと思います。(CU東京江戸川支部・執行委員 三枝繁一)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)