■第136回 2015/08/15

   オルグの現場から 103
     非正規労働者の組織化が最重要課題

 2013年8月、日販(取次会社)の下請け企業で働く非正規労働者が出版ユニオンに加入しました。◆出版関連産業の分業構造(版元→取次→書店)の中で問屋の役割を担う取次非正規労働者の条件は、(1)2ヵ月契約の更新(20年以上の勤続者も!)、(2)時給890円(最低賃金888円を2円上回る)、(3)社会保険未加入、有給休暇も通勤手当もなし(社保や休暇は就業規則に明記されても規則が周知されていない)など劣悪。ハラスメントも横行していました。◆出版労連は産業課題として流通問題をあげていますが、初めての非正規労働者の加入を契機に、同年9月「取次非正規労働者問題対策会議」を設置しました。単産全体として非正規労働者の問題を正面に据えてとりくむ体制をつくりました。◆以来、春闘、秋年末闘争をとおして労働条件の改善や組織拡大をすすめてきました。労働条件では、(1)2ヵ月の契約を6ヵ月に変更、(2)社会保険への加入と有給休暇の使用を確認、(3)就業規則の配付、(4)ハラスメント防止の協定化、(5)非正規労働者の団体交渉への参加を実現しました。◆一連の成果を職場に広め、弁護士を講師に招いた学習会を企画して、誰もが安心して諸権利が行使できることを宣伝してきました。組織拡大では、当初は慣れなかった組合員が、現在は積極的に同僚を誘ってユニオンへの参加を働きかけています。◆相次ぐ加入者は、異口同音に「ユニオン加入で短期契約の不安が解消され、社会保険に加入できて働き続けられることが良かった」と言います。全労働者の四割にもなる非正規労働者をなかまに迎えることは、労働組合の最重要課題です。(出版労連・取次非正規労働者問題対策会議 橘田源二)

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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)