■第134回 2015/06/15

   オルグの現場から 101
     退職強要の解決とその後

 「あなたは勤務態度が悪い」Aさんはそう叱責されて降格と賃金ダウンを言い渡されたうえ、「適性がないから退職を」と宣告され、納得できないと出版労連に相談に来ました。
Aさんはその出版社に編集職で入りましたが、入社一〇年後、管理部門に配転され、賃金を下げられていました。その時は納得しながらこつこつ働いてきたAさんに、今度は降格・減給と退職の宣告をしたのです。
相談の後、彼は出版ユニオンに加入しユニオンで団体交渉に入りました。交渉で社長は、Aさんに「社員としての適性」が欠けているというのは一緒に働いている同僚の声だと主張。それを盾に退職を迫っていたのです。
私たちはこの「退職勧奨」が不当だと主張し撤回を求めましたが、会社側は頑なで、譲ろうとしません。Aさんは、そんな経営者の態度に、「そんな風にしか自分を見ていないのか。こんな会社にいても仕方がない」という気持ちを強め、退職を決めました。
私たちはAさんの気持ちの変化を受け止め、退職条件をめぐる交渉に切り替えました。その結果、「会社都合の退職」とさせ、退職金に解決金を上積みさせてこの交渉を終結しました。
Aさんは、経営の言動に改めて怒りを感じていました。が、私たちの粘り強い交渉には謝意を表明してくれました。
退職後Aさんはとても苦労されましたが、その後再就職し、今も組合員として頑張っています。
前の会社を辞めても、出版関連の会社に再就職する人が多いのがこの産業の特徴です。出版労連の二つの個人加盟組合は、そうした人たちの受け皿にもなっています。
(出版労連労働相談室事務局長・田中武雄)

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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)