■第131回 2015/03/15

   オルグの現場から 98
     相談を共有し労働者要求を掲げよう

 労働組合による労働相談は、「職場組織結成の可能性のある事案」と「事件解決型」によく分類される。職場組織が結成されることは、職場に健全な労使関係が樹立していく重要な一歩だ。また地域での労働相談でも職場組織ができれば、産業別統一闘争の観点から産別へ加入していくのが望ましい。◇しかし労働相談の多くは、職場を離れることを考えている人だ。未払いの残業代や賃金、あるいはこれまでの不当な扱いについて我慢ならないなど。こうした相談を受けて解決することは、労働組合の社会的責任であり、組織人員の拡大にもつながる。同時にいかに未組織労働者が無権利な状態に置かれているか学ばされる。◇組合の組織率の低い産業ほど酷い事例が多い。特に若い人が多く働く美容業界などは深刻だ。「スタイリストとして一〇年以上働いているが、今までずっと業務請負。そのため国保を自分で払い、国民年金は払っていない(美容師)」「週六日朝から晩までほぼ一人勤務で店長職として働いている。自宅まで一駅なのに、終電を逃すこともある(エステティシャン)」。こうした業界の使用者はわが社だけではないと開き直ることが多い。不毛に交渉が長引くことも多く、対一社だけの交渉では、根本的な解決にはならないと感じる。◇企業別労働組合の組合員は、こうした事例に接することはほとんどない。だからこそ、労働相談を各単位組合と共有することは重要だ。そして労働組合として、こうした事例をどう捉えるべきか。法制度を抜本的に変えていかなければならない。そうした要求を前面に掲げることを、職場で苦しんでいる未組織労働者は期待している。(新宿一般労組執行委員長 保科博一)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)