■第130回 2015/02/15

   オルグの現場から 97
     労働者全体の権利向上求める労働運動を

 日常的に労働者は職場で社員と呼ばれることが多いが労働者は、法律上いかなる意味でも社員(会社のメンバー)ではない。雇用、請負など労務供給契約に基づいて労務を供給し、報酬を受け取るに過ぎない。しかし組合のない職場で働く人々は、契約書がきちんと交付されていなかったりする。また、労働者の権利を学ぶ機会がなかったことや雇用を失う不安からか、まるで会社のメンバーかのように尽くそうとする。◆「入社初日、深夜まで新人歓迎会が行われ、最後まで酒席に付き合った新人もいた。経営者は、休日も含めて付き合おうとする人だけを評価する」(保険業・二〇代)。「週六日連続深夜まで働いた疲労から、業務中追突事故を起こしてしまった。会社に電話したら『心配されるとでも思ったか?社用車だから弁償してもらう』と言われ従ってしまった」(貴金属販売・二〇代)。◆社会保険を負担したくない企業が、労働契約を業務請負に切り替えるケースも増えている。「定年後、勤務実態は変わらないのに雇用契約から請負契約に変更させられた。そのため最低賃金法が適用されず、月額報酬が一〇万円になった」(調剤薬局店舗開発・六〇代)。「シフト制で深夜六日勤務と固定しているのに、請負契約となっている」(整体師・三〇代)。◆こうした実態が、組合のある職場と無関係に存在し続けることはない。このような相談を受けていて個別労使紛争では限界も感じているし、職場組織の結成が必要であると考える。しかし、それ以上に地域・職種・産業での団結を強化し、未組織労働者も含む労働者全体の利益になる権利向上を求める労働運動が重要だ。(新宿一般労組執行委員長 保科博一)

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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)