■第129回 2014/12/15

   オルグの現場から 96
     すべての労働者に組合加入の機会を

 労働組合法において、労働者とは職業問わず賃金、給料などに準ずる収入で生活する者とされている(第三条)。日本は企業別労働組合が中心である。そのため、職場に組合のない圧倒的多数の労働者にとって、残念ながら労働組合は身近な存在となっていない。すべての労働者に組合加入の機会を提供することは、労働組合の社会的責任といえる。個人加盟組合の組織化は、時として人の命を救うこともある。◆靴流通メーカーに勤めていた四〇代の契約社員の女性は、連日パワハラを受け続けていた。耐えかねて精神科病院へ行ったところ、その場で「希死念慮を伴ううつ状態」と診断され、休職を命じられた。退職しなくてはと誤認した本人は保険証を返還してしまい、その後組合に相談に来た。当初会社は、もう辞めてもらうとして本人の療養に協力しようとしなかった。そのため、かなり強い表現での抗議文を会社に通知して保険証を返還させ、傷病手当を受給することができた。もし労働組合に出会っていなければ、貯金もなく独り身であったこの女性はどうなっていたかと思う。◆建設関係の会社に勤める同じく四〇代の女性は、上司からセクハラを受け続けていた。精神疾患になり、働けなくなってしまった。セクハラが原因と旦那さんに話せずにいた女性は、ひとりで悩みを抱えるようになった。当労組で相談を受け、組合に加入してもらい連絡を取り合っている。◆職場に組合があれば、こうした悲惨な事態は起きない。だからこそ職場組合は労働者の権利を守る、まさに宝の存在だ。そして同時に労働組合は、だれでも入れるようにしなくてはならない。
(新宿一般労組執行委員長 保科博一)

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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)