■第127回 2014/10/15

   オルグの現場から 94
     労働局斡旋と団体交渉

◆厚生労働省労働局の総合労働相談の件数は、6年連続で全国100万件を超えている。解雇・雇い止めやハラスメントなどの相談の場合、相談者は、労働局の斡旋を申請することができる。労使双方が参加して、斡旋委員による斡旋案を受け入れるならば、紛争の解決を図ることができる。◆「日本の雇用終了」(労働政策研究・研修機構)は、厚労省に寄せられる相談の実態を調査・分析した本だ。同調査に関わった同機構研究員・浜口桂一朗氏は、「全国の労働局に寄せられた雇用終了関係の相談件数は、年間10万件に上るが、そのうち斡旋を申請したのは約4000件。金銭解決の水準も平均17万円と極めて低い。また、日本の大部分を占める中小企業では、解雇は限りなく自由に近い」(労基旬報 2013年5月25日号)と述べている。◆一方、労働組合の団体交渉は、任意の斡旋と違う。使用者は交渉を拒否できない。組合のない会社でも、組合の説明と交渉の主旨を伝えれば、極めて不誠実な会社以外、団体交渉の申し入れに応じる。◆新宿一般労組に寄せられた相談事例の一つを紹介する。育児休業を申請していた契約社員の女性が、産休明けに突然雇い止めされた。斡旋で解決できなかった彼女は、組合に加入し、数回の交渉で雇い止め&育児休業を認めさせることができた。使用者が拒否できない交渉の場で、当事者が直接権利を主張するからこそ迫力があり、権利回復が図られる。しかし、従業員100人未満の事業所では、1%程度しか労働組合に組織されていない。そこでは、日本の労働者の約半数が働いている。(全労連・新宿一般労働組合執行委員長 保科 博一)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)