■第115回 2013/9/15

   オルグの現場から 82
     困難な条件から組合を結成した意義


▼回転寿司の店長が「売上金を不法に領得した」との嫌疑を掛けられ、否定し続ける店長に「告訴状」を突きつけて退職を迫る事件を解決、組織化に結びつけた経験を紹介します。▼首都圏に居酒屋・回転寿司店を百店舗以上経営する「まぐろ人」。店長に過大なノルマを科し、毎月の店長会議で点検、さらにノルマの引き上げを迫るなど、過酷な中で多摩センター店の売り上げ向上に貢献してきた店長が、「売上金を不法に領得した」と嫌疑を掛けられ、相談に見えました。▼組合に加入してもらい、団体交渉を準備しましたが、「告訴」に踏み切られると警察の手にゆだねられ、厄介なことになると判断し、「告訴状」「被害報告書」証拠の「VOID一覧」の提供を求め、「組合として精査」すると約束。会社は嫌疑について自信を持っていたらしく、「事実だったら組合が責任もって対応するなら…」と即座に資料を送ってきました。▼弁護士事務所の力も借り、一日がかりの精査を開始。結論は「事実無根の告訴」として団交の場で「告訴の取り下げ、嫌疑を晴らす」ことに。店長を快く思わない本社幹部が、現場の「VOID処理」を理解していなかったこと、レジの真上に設置されたカメラが、この間故障していたことなどで、論拠がくずれました。▼店長は店員からの信頼が厚く、嘆願書の提出を機に、未払い・最賃以下の賃金などへの不満を抱き、閉店後の会議と夜中の学習を経て、組合を結成しました。結成後、順調に推移したものの、会社の「回転寿司店すべて閉店」の方針に抗し切れず、未払い賃金の獲得で収めましたが、今も独立を目指す店長との連絡は途絶えていません。
伊澤明(八王子労連労働相談センター所長)

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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)