■第107回 2012/12/15

   オルグの現場から 74
     団体交渉

 ◆労働相談の内容は様々であるが、相談者の要求(希望)をかなえるために団体交渉を行う必要が出てくる。とりわけ、雇い止め(解雇)は一刻を争う場合が多く、速やかな対応が必要だ。この場合、一人でも公然化(組合員であることを経営者に知らしめる)することになる。相談者の中には「次の就職の時に不利になるのでは」と公然化をためらう方もあるが、雇い止め(解雇)の場合は、「組合員であることを明らかにして交渉しないと解決しない」と説得が必要だ。◆団体交渉に経営者側のメンバーとして特定社会保険労務士や弁護士が同席するケースが結構ある。弁護士が同席するケースでも、経営者が全面的に委任しているケースとアドバイザー的な役割しか持たないケースがあり、社労士の場合、法的な制限があるにも関わらず社労士が前面に出ることがある。どちらの場合でも、団体交渉で解決するという意思を経営者側が持っているかどうかを見極めなければならない。団交で解決する意思がないと判断したら別の手段を執らなければならないからだ。◆ある外資系の運送会社の場合は、弁護士が同席した団交で解決せず、労働審判に持ち込んだ。同じ弁護士でも経営法曹の弁護士は団交で解決をはかるという姿勢をもっているように見える。ただし、ダイワードの某弁護士のようにいたずらに紛争を拡大して弁護士料を稼ぐ輩もいるので注意が必要だ。◆社労士が同席した団交で解決に至った例を何件か経験したが、解決のポイントは「団交に複数で臨み、反論役とまとめ役をつくる。相手の言い分を良く聞き、感情的に反発しない。争点を絞り込む」ことにあるように思う。(東京地評労働相談専門員 川村好正)


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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)