■第104回 2012/9/15

   オルグの現場から 71
     少額訴訟

 ◆労働相談の中で多い事例が、賃金・残業代の未払い。相談者には「賃金・残業代の未払い金額の明細・合計額を書き、一週間ないし二週間先の○月○日までに指定の銀行口座に振り込むこと。振り込みなき場合は労基署に労基法違反で申告する」との内容の手紙を簡易書留で送ると良い、とアドバイスする。もちろん手紙のコピーを忘れないようにと付け加える。◆最近は一歩進んで「それでも払われない場合はどうするのか」とか「労基署から、『是正勧告はしたが使用者が言うことをきかないので少額訴訟を起こすしかない』と言われたがどうしたら良いか、との相談もある。◆江東区労連でも「是正勧告に従わないので、労基署としてはこれ以上どうしようもないので、少額訴訟を行って欲しい」との事例が二件あった(残業代未払いと予告手当の支払い拒否)。一件は三田労基署管内の不動産会社、もう一件は亀戸労基署管内の運送会社。三田労基署管内の事例は会社が解散してしまった。亀戸労基署管内の予告手当支払い拒否の事例は、少額訴訟の準備をしている。◆労基法違反の事例の告発を地検が受理するのは、大きな会社や有名な会社だけらしい。監督官に聞くと「小さな会社の事例は検察官が取り合ってくれない」という。◆労基法違反はやり得と考える経営者が蔓延しないうちに、事例を沢山集めて、労基法違反の取り締まりをぬかりなくやるよう東京地検と東京労基局へ要請行動を行う必要がありそうだ。◆もちろん、少額訴訟の取り組みの経験交流も怠ってはならない。電話で相談をされる方の知識も、豊富になってきていると感じている。(東京地評労働相談専門員 川村好正)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)