■第102回 2012/7/15

   オルグの現場から 69
     名ばかり店長

◆昨年九月から大手外食産業の店長候補として、入社したKさん。月給は二七万円。基本給は一四万円台、一三万円は時間外などの手当分。しかし、実態は…◆店長とは名ばかり。仕事は一日焼き肉作り、多い時は千食にも。労働時間は一四時間を超え、一カ月の残業時間は一七〇時間にもなり、会社が残業代として支払っている七五時間を大幅に超えていた。◆一〇、一一月は休憩時間もなく仕事。月に何日かは家に帰る時間もなく仮眠をネットカフェやカプセルホテルでとり、仕事を行っていたとのこと。◆こんな状態を何とかしたいと思い、労基署に相談。対応した労基署は一年前から指導している「署長付きの事業所」とのこと。また、本社の人事部にも連絡をして、善処を求めた。◆ところが、マネージャーからパワハラまがいの退職勧奨や恫喝がおこなわれ、このような状況では退職以外にはないと一二月初めに退職。◆相談を受け実態を調べたところ、時給は九月でかろうじて最賃を上回ったものの、一〇月の最賃の改定で一〇月以降の時給は最賃以下の状態。残業代の未払いも含めて、労基法違反が数多くあり、即会社に団体交渉を求めて交渉。◆交渉を始めて三回目の交渉で会社は非を認め、本人の慰謝料を含めての要求を全面的に認めて解決。◆Kさんの問題は解決しましたが、外食産業で働く多くの労働者は今も法違反の労働条件で働かされていることは間違えないでしょう。◆業界が競い合って低価格の食事を提供している内側で働いている労働者の実態を忘れてはならないし、その実態を改善させる取り組みも又労働組合の責務ではないかと感じています。(東京地評労働相談専門員 関口幸雄)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)