■第97回 2012/2/15

   オルグの現場から 64
     労基署が動いた

◆残業代や未払賃金で労基署に相談や申告に行っても、一度は会社に連絡や督促はするものの、それ以上は動かない例が圧倒的に多い。今回は労基署が珍しく動いた例を紹介します。◆ユニオン千代田・綜美社冨士プロダクツ分会は七月にストや社前集会でたたかい、皆さんからは抗議ファックスを寄せてもらった。このたたかいの中で二月〜五月分賃金を支払わせたが、以降は小切手は切るが、支払日には金がなく、小切手の書き換えなどを繰り返してきた。八月は出資者の話が具体的に出てきたが、八月末には不渡りがでて銀行は取引停止、出資者も撤退した。◆九月はじめ、社長に一五日付けで倒産・全員解雇の確認をした。しかし、一五日会社に行くと社長はなにもしておらず、再度「九月末で営業停止、全員解雇」の確認書、労基署への倒産報告書類を記入させ、一緒に提出にいくことをのませた。◆社長は労基署には行ったが、裁判所には倒産手続きをせず、現在、綜美社は事実上倒産、冨士プロダクッは営業を一部続けている。この倒産も時間の問題である。それにしても社長の会社継続の執念はすさまじい。◆一〇月四日に組合は立替払いの申請をし、労基署は一一月七日に「認定倒産」し、福祉事業団に手続きを行った。一二月八日には四ヶ月の未払賃金と退職金の八割が「立替払い」された。◆全員加入し、団結してよくたたかった成果である。労基署には頻繁に連絡、確認書や報告書提出によって、「認定」「手続き」は迅速に行われた。◆働くものは「経営者の執念」を越える気概をもって、決してあきらめてはならないことが今回の教訓としてあげられる。


(東京地評労働相談専門員 深谷静雄)


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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)