■第93回 2011/09/15

     オルグの現場から 59
        労働基準監督署の対応 @

◆労働相談を受けながら、労働基準監督署の対応について疑問に思う事等、2回にわたってその問題点について報告させていただきます。 ◆その@A電子工業に働くMさんは今年8月に定年を迎えました。定年後の働き方で会社の再雇用制度に基づいて申し出たところ、会社は週1日7時間勤務時給850円と提案。◆「収入は月2万4千円にも満たないし生活が成り立たない」と組合といっしょに従来通りの働き方を求めて交渉。 ◆しかし会社はMさんの成績評価は低いし、労働基準監督署に行き相談したが高齢者雇用安定法に照らしても「法律的には問題ない」と回答を得ていると頑として回答を変えてきませんでした。◆年金支給開始年齢が65歳に引き延ばされたことにより2006年高齢者雇用安定法が施行されました。法律の制定は高齢者が安定した生活を維持できることを目的としており、厚労省発行のQ&Aでも「極端な言い方をしてしまえば雇用さえしていればよいということになります。勿論、雇用しているとは言えないような実体(例えば週1日のみ2時間の非常勤勤務などは余りに勤務時間が短く、雇用していると評価できるのかは怪しいと考えられます)ではだめです。」と。 ◆Mさんは裁判などでの決着を望まず、やむなく、会社には退職金制度が無いなかで一定の解決金で退職を余儀なくされました。◆監督署が法律に違反しているかどうかを判断することは当然なことですが、法律の精神や成立した経緯を含めて企業を指導し、労働者が安心して働ける環境作りをすることも大切な役割です。監督署が法律の精神を生かす積極的な役割を果たしてもらいたいものです。

(東京地評労働相談専門員 関口幸雄

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)