■第92回 2011/08/15

   オルグの現場から 58
  ストライキ・社前集会を背景に交渉

「3ヶ月間賃金が出ていません、会社はいつ倒産してもおかしくない状態です」と、全社員六名が揃って、四月末に千代田区労連の事務所に訪ねてきた。地評の電話相談を受けて、地元の個人加盟労組CU東京「ユニオンちよだ」委員長渡辺さんと一緒に会った時のこと。会社は事務所のすぐそば八〇mのところ。◆「ないものは払えない」という社長。先週全員で一日休んだが、翌日行ったら、社長はまったく困っていなかったとがっかり。Aさんは課長22年勤続、Bさんは部長17年勤続、二人とも家族とローン持ち、Cさんはシングルマザーで子は高校生などと深刻な事態。◆大震災で宣伝されている「雇用調整助成金」が使えるか、「倒産」で賃金立替払制度を受けるか、あるいは民事再生法が使えるかなどを話す。弁護士とも相談しよう。さしあたり、みんなで揃って賃金払え!と社長に迫ること。次回までに、法人登記簿と社長宅の全部証明をとること(会社は資産なく借部屋)、賃金未払い額を表(労基署提出)にしてくることなどを宿題に。◆連休明けに来所、全員で社長に迫ったら二月分の賃金が払われたという。ただちに、団交申し入れをFAXする。こうして、綜美社・冨士プロダクツ分会のたたかいが始まった。◆社長は手形のジャンプのために、借金の千万円資金提供を求めて会社回り、倒産の手続きは一切拒否。社会保険も税金も六ヶ月滞納のまま増える一方。分会は二波のストを打ち、六月分までの賃金支払いを約束させた。彼らはストライキも社前抗議集会もはじめての体験、今や社長と対峙して一歩も引かない。八月が決戦場になる。

(東京地評労働相談専門員 深谷静雄

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部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)