■第90回 2011/06/15

    オルグの現場から 56

          経営者の感情で解雇


◆今回の労働相談は二五人規模のN印刷から、退職強要とパワハラ(嫌がらせ)について。 昨年一二月に社長から言葉だけの「分社化」作成の指示があり、今年一月に分社化した企業の責任者を本人にして登記し、当初は既存のお得意様を中心に三人で運営していく「分社化プラン」を提出したところ、社長は「お客を盗んで独立するのか、今すぐ辞めろ」と激怒。本人は「今すぐでは生活に困窮するので三月末で」という対応をした。◆深夜に自宅に何度も電話をかけてくるなどの嫌がらせもあり、三月中旬にストレス性胃炎(ドクターストップ)に。その後は出社していない。◆こうした経緯の説明があり、組合に加入した。「退職強要をやめろ、退職金の支払い、有給休暇の消化、休日出勤手当の是正」等を要求項目として交渉を申し入れたが、社長は「代理人(弁護士)に任せる」として交渉には出席しなかった。◆弁護士から「退職強要を止める事というが、会社の認識としてすでに退職していると考えている、また強要はしていない。退職金の支払いについては、退職しているのか否か、解らないのに退職金の要求はどう解釈するのか。就業規則には退職金規定の定めるところによる、となっているが具体的な規定がなく曖昧だ。また今の会社には支払い能力もないので払えないのが現状だ。休日出勤手当の差額、有休の未消化分は支払う」という回答があった。◆組合はこれらの会社回答に対して検討をおこない、どうやって要求実現に向けて交渉を進めるか意思統一をしている所だ。中小企業の中ではこうした経営者の感情で解雇されるなどのケースが益々増えてくると思われる。


(全印総連・東京地連・東京地評オルグ 小原正幸)

すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)