■第86回 2011/02/15

      オルグの現場から 52
        産業構造の変化の中で

◆〇九年の印刷関連産業(四人以上)の工業統計によると事業所数は一万四八一七社、前年比一〇・一%減、従業者数は三〇万五九〇九人、六・三%減、出荷額は六兆一〇一一億円、九・四%減といずれも過去最悪の前年比マイナス幅と深刻な状況となっています。また、印刷大手の「合理化」や他業種との資本・技術提携、低価格競争は多くの中小企業の経営悪化を招き、経営悪化を口実とした賃金抑制や雇用不安など、労働者に犠牲が押し付けられています。加えて、電子メディアの台頭は印刷産業の将来のあり方など新たな対応が求められています。◆最近の争議の事例では、デザイナーとして入社したが、会社都合でDTP職場へ、更に印刷職場へと配転させられ、デザイナーではないと手当をカット。教育も不十分な中で能力がないとして職務手当の減額を本人の同意なしで一方的に行って来ました。その後、更に「評価はやってほしいことの二割で、期待している成果が得られていない」と解雇を表明した。◆組合は本人の「働き続けたい」という要求と技術教育等を充分に行え、手当カットや職務手当の減額の是正を要求として取り上げて交渉しました。◆その後、会社は戦力にならないと判断し、退職させたくて営業への異動通知や期限付きの解雇予告通知などを出して来ました。◆組合は退職強要を行わないこと、賃金カット・減額を止めてカットした全額の支払いを求めて、ねばり強く交渉を重ねました。最終的には職場復帰とはなりませんでしたが、解雇予告手当、時間外手当の精算、解決金の支払いで合意に至りました。交渉による自主解決を図ることが大切だと感じています。


(全印総連・東京地連・東京地評オルグ 小原正幸)