各三役・労働相談・組織化担当御中
東京労働相談センター情報
2011年12月14日 NO.87

● 労働者の辞める権利! 辞めざるを得なくなったので損害賠償を!
大阪高裁判決 12/6
会社の契約違反で期間途中に自ら退職せざるを得なくなった有期雇用労働者側からの、民法628条に基づく損害賠償請求で、残期間賃金総額に相当する損害賠償請求が全額認容された京都地判平23年7月4日(労旬1752)の控訴審判決が、昨日12月6日にありました。控訴棄却で原審判決維持です。 今日判決文が届きましたが、理由は第1審とほとんど変わりありません。しかし、会社は上告してきそうです。(※ 京都の市民共同法律事務所  塩見 卓也弁護士よりの情報)

【少し解説】します。お役立てを!
雇用保険もすぐ受給が可能です。】 有期契約の場合、労使双方とにも、やむを得ない事由の無い場合は、その期間中、雇用継続と就労の義務があります。ただし、下記のように、民法628条と労働基準法第15条2の規定に、即時退職、解約ができる規定があります。この判決の場合は、労働者が辞めざるを得なくなって、働き続けられなくしたのは、使用者の責任だとし、これに対する損害賠償請求が認められたと言うことす。
※ 民法628条(やむを得ない事由による雇用の解除)「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じた者であるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う」

当東京労働相談センターの労働相談の中でも、これらの条項をもとに、労働者がやむを得ない事由で自己退職をする場合、雇用保険法上は、正当理由有る自己退職として扱われる事を知らせ、活用しています。
労働基準法や労働契約法では、合意に基づく労働条件明示とその遵守が前提ですが、労働相談では数々の過密長時間労働、未払いサービス残業、有給休暇の不承認、ハラスメント横行などの法違反の継続や、社会労働保険未加入、一方的な労働条件不利益変更改悪などが見られます。
この場合には、下記の労働基準法第15条2を使って、違反を指摘し、即日退職する事ができます。 職場の中でがんばり、仲間を増やして、労働条件の改善を勝ち取る活動にと言われても、心身の破壊や独りぼっちの過酷な条件下では、危険有害、無法の環境から離れて行くことも権利です。

※ 労働基準法第15条(労働条件の明示)
「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。(略)。」
同条A 「前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。」

この退職は、平成21年改正の厚労省の「特定受給資格者の範囲」を定めた判断基準、Uの(1)により、雇用保険法第33条の「受給制限の無い自己都合退職」(平成5年1月26日付け 職発 26号)の6に該当します。さらに通常は、失業等給付(基本手当)の受給資格が、被保険者期間が12ヶ月以上(離職前二年間に)必要ですが、このやむを得ない事由よる自己退職なら、離職以前に6ヶ月以上の被保険者期間が有れば、基本手当の受給資格がある事になっています。
労働者の辞める権利!12春闘の中で、全国で活用しよう!!! 当初の労働契約の相違、法違反の場合は、記録をつけ、奴隷職場からさっさと退職し、雇用保険をすぐ受給し、未払い賃金は遡及して、利息14.6%をつけて請求し、 損害賠償も請求しよう!

さらに、有期契約が一年以上の場合は、労働基準法第137条によって、勤め始めて一年を経過したら即日退職できます。 「期間の定めの有る労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を越えるものに限る)を締結した労働者(略)は、(中略)民法628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以降においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。」とされているからです。

● 骨抜き派遣法案 今国会成立を断念/佐々木氏「廃案にし出し直せ」12月9日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-09/2011120901_02_1.html
民主、自民、公明3党によって骨抜きにされた労働者派遣法改定案は12月8日、予定されていた衆院本会議で採決にかけられず、今国会での成立はなくなりました。改定案は、「大穴」が開いていると指摘されていた政府案から「製造業・登録型派遣の原則禁止」を削除するなど、完全に骨抜きになるとして、派遣労働者や労働組合などから大きな批判があがっていました。世論とたたかいが今国会での成立を阻止したものです。(中略)  民自公3党は、7日の衆院厚生労働委員会で参考人質疑も行わず採決を強行。8日の衆院本会議でも可決し、参院に送る予定でした。  しかし、日本共産党、社民党、みんなの党が強く反対するなか、参院に送っても成立できなければ廃案になるため、衆院にとどめて継続審議とすることを余儀なくされたものです。民主党などは、来年1月召集の通常国会での成立をねらっており、悪法を許さないたたかいが引き続き焦点となります。
【関連リンク】 派遣業界が金権攻勢/骨抜き交渉の民自議員らに
http://www.asyura2.com/11/senkyo123/msg/407.html

● 労働力調査(詳細集計)平成23年7〜9月期平均 (総務省11月15日)
● 就職内定率:新卒大学生は59.9% 3年ぶりに上昇 − 毎日jp(毎日新聞)
● 非正規雇用率 35.3% 7〜9月の労働力調査詳報によると、役員を除く雇用者に占める非正規労働者の割合は、前年同期比で、0.7ポイント増の35.3%に。実数では、23万増の1729万人に。若年層での比率はなお高く、15才〜24才では46.5%。業種では宿泊・飲食業の割合が高く、70.4%。完全失業者の内38.6%が1年以上の失業。2年を越える失業者は23.2%と過去最悪の数字。男性の30.9%が2年以上の失業期間に。 


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