■第80回 2010/07/15

   オルグの現場から 46
     生活の糧としての賃金を守るために

◆東京労働相談センターでは月間三〇〇件を超える相談を受理している。◆バブル崩壊以降不況が長期化しており、また労働市場は完全失業率が五%を超え、有効求人倍率も〇・五倍を下回るなど厳しい労働環境にある。 ◆このような中で相談項目は「解雇・退職」「賃金不払い」「長時間労働」「労働契約」「労働災害」「リストラ」「パワーハラスメント」「メンタルヘルス」などが多くなっている。◆相談項目で最も件数の多い一つ「賃金不払い」についてみると、「ここ数ヶ月まったく賃金が支払われない、支払いの請求をしたところ、歩合制でもないのに貴方が業績を上げないからと支払われなかった」(零細企業・営業職)。◆「月初めに退職を申し出たところ、オーナーから今月一杯は働いてもらう、次の人を探す費用を分担してもらうので、今月の賃金は支払わない、という誓約書にサインをさせられた」(レストラン・アルバイト)◆「年俸額が残業込(残業時間・額とも不明)となっているため、何時間残業を行っても残業代なし、業績悪化を理由に賞与をカットされた」(年俸制労働者)などさまざまな不当な理由を挙げる。◆賃金は労働者の生活の糧であり、不払いは契約不履行の詐欺的行為であること。強く法的に保護されており、理由の如何にかかわらず雇用者が一方的に差し引けないこと。相談者に対し、問題点を整理し、本人の意向なども配慮しながら行政や弁護士、各種裁判の活用、労働組合への加入などの解決方法を探す。特に就業規則、会社から配布された各種書類、場合によっては録音等証拠の確保、メモはまめに取るよう心がけること等アドバイスしている。

(東京地評・東京相談センター 加藤日出男)