■第79回 2010/06/15

      オルグの現場から 45
        労働組合の本来の姿求め

◆今年四月一日から改正労働基準法が施行されました。月六〇時間を超える時間外労働の割増賃金率を五〇%以上に引き上げるなど時間外労働の削減と有給休暇の時間単位取得を導入して年休を有効活用させるための改正としています。◆何年か前の相談ですが、ある編集プロダクションの雇用契約書を見てビックリ。始業朝一〇時、終業夜一〇時、休憩一時間となっています。実働一一時間です。タイムカードを見てさらにビックリ!毎日深夜まで残業。徹夜で朝まで仕事をして、仮眠もなく翌日の勤務も稀ではありませんでした。◆ただちに団体交渉。会社は団体交渉に弁護士を同席させましたが、弁護士も「社長、これはまずいね」と。就業規則の是正と、未払い残業代の支払いを勝ち取りました。しかし、その後も労働時間の実態はなかなか変わりませんでした。◆今回の法の改正の主旨は、労働時間の短縮と有給休暇の取得向上のようです。そもそも、過労死ラインが月八〇時間以上の残業。それに近い六〇時間超の残業が五〇%の割増賃金を支払えばOKということに危うさを感じます。長時間労働をさせること自体を禁止する。有給休暇は時間単位でなく、一日丸々休んで明日への活力を養う。労働組合は、そんな本来の姿を求めたいものです。◆「パソコンがない時代はもっと暇だったのに。」そんな声が聞こえてきます。新自由主義経済の中で、労働者は競争させられ、安価な労働力をと叩かれてきました。残業代を勝ち取ることとともに私たちが求めるのは、人間らしい生活と労働ではないのでしょうか。健康で文化的な最低限度の生活を営むために、労働組合に一人ひとりの力を結集しましょう。

(出版労連 住田治人)