■第78回 2010/05/15

   オルグの現場から 44
     労働者の権利を知ることが重要

◆出版労連への労働相談で、経営危機・倒産と並んで相談が多いのが解雇です。中でも、仕事ができない、能力がない、適正がない、ミスが多いなど業務上の「落ち度」を理由とする解雇が多くみられます。◆出版社でよくある解雇理由は「誤字・脱字(誤植)が多い」というものです。一冊の本を作る場合、通常は二〜三回校正をします。その中で一回は担当編集者ではなく、他者が校正することが一般的です。しかし、小さな出版社や、しめきり間際の雑誌では、コストや時間の関係で担当編集者のみの校正で済ませてしますことがあります。ミスを起こさないためにダブルチェックの体制をつくらなかった会社の責任は明らかです。◆ある出版社で、ハイクラスな旅行雑誌を創刊するために社員を採用しました。しかし、三カ月後に解雇通知がなされました。最初は解雇理由を一切通知しませんでした。その後、通知された理由は、「仕事ができない」「経歴を確認したら、格安ツアーを扱う旅行代理店に勤務していた」というもの。実際には、広告が集まらず新雑誌の創刊ができなくなったことが理由のようですが、会社都合ではなく、労働者に責任を転嫁しようとするこのような解雇は絶対に許せません。◆労働契約法にあるとおり「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」解雇は無効となります。懲戒解雇であれば、就業規則に懲戒についてどのように記載されているか、普通解雇であれば、解雇となった問題の程度や重さを検討することになります。まだまだ、労働者を使い捨てる酷い企業があります。権利を知らなければ、泣き寝入りです。自らの生活を守るためにも労働者は賢くならなければ。
                               (出版労連 住田治人)