■第75回 2010/02/15

   オルグの現場から 41
  メンタルヘルスへの理解を深めることが重要

▼出版産業では、多くの職場で長時間労働が常態化しています。週刊・月刊を問わず雑誌職場では、しめきり間際には徹夜で仕事をする状況が多く見られます。書籍職場でもほぼ同様です。長時間労働だけでなく、経験や職能に関係なく、著者とのやりとりなど担当者にほぼすべての責任・権限が持たされてしまうというストレスの多い仕事となっています。このような状況を背景に、ここ一〇年、メンタルヘルス不全の労働相談が激増しています。◆四〇代の男性は、二〇数年担当した編集職から営業に不当な配転命令。「地獄の訓練」と呼ばれる宿泊研修に参加中体調が悪くなりました。診断はうつが原因の高血圧症。会社はさらに、営業から倉庫に配転。賃金を半分以下にしました。地裁で賃金支払いの仮処分の決定を取り、その後、交渉で原職復帰を勝ち取りました。◆従業員八名の会社に勤務する二〇代の女性からの相談。不眠などで心療内科を受診したところ休職の必要があるとの診断。すぐに会社に話しをしたところ、社長は全社員の前で「病気のやつは会社を辞めろ」と怒鳴られたと相談に訪れました。団交で、厚労省からも、職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくりについて様々な指針や通達が出ていることなどを紹介し理解を求めました。◆これらは、すべて経営者にメンタルヘルス不全の知識がないことから、問題となった事例です。今年四月の改正労基法では残業手当割増が改正されますが、残業代が増えればいいということではなく、根本となる長時間労働根絶とメンタルヘルスについての理解を広める取り組みをさらにすすめる必要があります。


                             (出版労連、住田治人)