■第73回 2009/11/15

   オルグの現場から 39
     特定社労士対策も今後の課題

▼最近、会社の団体交渉メンバーとして社会保険労務士が出席する例が多くなってきた。従来、社労士は団交に出席できなかったが、法律が変わり一定の講習を受けた「特定社労士」は団交に出られるようになった。社労士自体を悪く言うつもりは無いが、中には辟易するような社労士もいる▼ある運送業の労働者四人が相談から労働組合に加入した。基本給二七万円で、残業代や早朝勤務手当が一切支給されておらず、休日出勤手当は何時間働こうとも定額の七五〇〇円。それぞれ入社六ヶ月から八ヶ月くらいだが、計算すると未払い賃金は一二〇万円から二四〇万円にも達した▼組合員として公然化して団交を行ったが、その場で社労士が「私は会社の代理人だ」と言いながら、会社取締役を全く無視して「未払い手当は一円も無い。二七万円のなかに残業代などは含まれている。雇用契約書には書かれていないが入社時に全員に口頭で説明した」と主張した▼雇用契約書に書かれてもいないのに、基本給に残業代が含まれるなどということはありえないし、四人の組合員全員が「そのような説明は受けていない」と主張したが、この社労士は声を荒げて「説明している」と強弁した。相手にしても仕方がないので会社取締役を追及したが、社労士が大声で割り込んできて交渉にならなかった▼こうして交渉では解決がつかず労基署に申告したが、労基署の調査にもこの社労士が出てきて同じ主張を繰り返したとのこと。結局は訴訟となったが、会社はより多額の金を支払う結果になるだろう。何らかのつながりでこの社労士に依頼しているのだろうが人を選ばないと会社が損をするだけだ。
                       (三多摩労連、坂ノ下征稔)


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