■第71回 2009/09/15

   オルグの現場から 37
     要求を束ねて 組合づくりを

▼自動車関連企業の経営が悪化している。ある外国自動車部品会社の日本法人で三二人の従業員を半減させるとして一六人に解雇通知が出されたのは今年三月。大半の労働者は微々たる退職金をもらって泣く泣く退職していった。しかし四人の労働者が「納得できない」として東京労働局にあっせんを申立てたが、会社はあっせんを拒否。そこで労働相談に訪れてきた▼勤続は一年から最長でも五年程度で退職金は微々たるものだった。明白な整理解雇、しかも外国本社の経営は黒字であった。そこで解雇の撤回を求め交渉に入った▼約四ヵ月にわたる長期交渉の末、一定の水準の金銭解決となったが、一六人全員が組合に加入していたら結論は違ったかもしれない。四人のその後の就職先の見通しは立っていない▼別の外国自動車メーカーの日本法人でも、売上が激減したとして四〇人の労働者に大幅な賃金カットが通告された。ある労働者は五二万円から三一万円へと四〇%もの賃金カットを通告され、これでは生活できないと労働相談が寄せられた▼四〇人全員が金額はまちまちだが、大幅な賃下げになったということだったので、同じ思いの人が必ずいるはずだ、として仲間づくりを開始した。しかし、勇気を出して立ち上がる労働者は他には居なかった▼やむを得ず一人だけで組合員として公然化し賃金を元に戻すことを要求し団体交渉を開始したが、先行きは不透明だ▼労働相談を受けたとき必ず相談者に質問するのは「あなたと同じ要求の人は他にいないんですか」ということだ。一人ではなく二人、三人と同じ要求を持つ人が職場には必ずいるはずだ。そこから労働組合作りが始まるからだ。

                       (三多摩労連、坂ノ下征稔)