■第66回 2009/04/15

   オルグの現場から 32
        最初のひとこと

▼いま、アメリカの金融危機のもとで日本でも景気が急速に悪化する中、賃下げを一方的に通告されたある不動産会社のOLからの相談です。彼女は、今まで年俸460万円(一時金込み)だったのが、一般職に格下げ、月給26万円余、一時金なしの年収で150万円余りの減収通告。▼昨年五月、おりしも東京地評の泊り込みオルグ相談員養成講座の翌日、会議終了後私たちは本人と面会しました。最初に会ったときの彼女は「もう辞めるしかないか」とあきらめ顔でした。私たちは「労働条件の一方的不利益変更はできない。辞める覚悟があるなら組合に加入して闘った方がいい」と激励。彼女も「そうですね」と加入を決意し、翌日には団体交渉の申入れを行いました。▼会社側は、彼女の仕事のミスなどをあげて賃下げは正当だとする主張をくりかえしましが、労働組合の説得を聞き入れた会社は賃下げ提案を撤回。ほぼ同額(逆に2万円賃上げ)の提案を出してきました。しかし、そこには月55時間分の残業代含むという落とし穴がありました。組合としては、残業代月55時間には応じられない。多くても30時間が限度と会社側を説得。最終的に彼女だけは30時間以上は残業させないことで合意しました。10月に協定書に調印。▼彼女はみちがえるほど元気になり、組合の例会や他の事件のビラ巻きまで参加するようになりました。まわりの同僚が上司にいじめられたり、配転にあっている事に怒りをあらわにしています。そんな彼女に相談してくる同僚もいて、私たちも相談に応じる中で一名が新たに組合に加入しました。あきらめずに相談に来れば道が開けるんだということをしめした一件でした。

                               (江東区労連 中村元)