■第61回 2008/10/15

 オルグの現場から 27
        風俗産業の争議

▼新宿には一つの産業として風俗産業があり、歌舞伎町界隈では料飲業と並んでラブホテル業も盛んである。そのラブホテルで二四時間、隔隔勤務ということで月10日で19万5000円で働いていた労働者が接客態度が悪いということで解雇された。▼この労働者の相談は、在職中、有給休暇が一日ももらえていなかったので、解雇時点でお金に清算してもらえないかというものであった。ホテル側は、労働基準法20条に基づき解雇した場合は、未消化の有給休暇分をお金で清算しなくてもよいとなっているとして、びた一文支払うつもりはないとその要求については突っぱねた。▼そこで私が着目した点は、賃金であった。単純な時給計算では最賃違反には当たらないが、通常割増や深夜割増を加味して計算したところ案の定696円という時給が算出された。相談者は自分が最賃以下で働かされていたことに驚くと同時に、そのことをホテル側に伝えると、ホテルはその計算は間違だとして、自分達の考えを示してきた。24時間を2日に分けて12時間ずつ働くことだとして、8時間+4時間分の残業代の算定基礎として時給を750円とはじいてきた。▼今回の団体交渉は、歌舞伎町のど真ん中にある有名な「風林会館」でおこなわれた。ホテルの責任者は、あまりこちらを困らせるようなことをしてもらってこまると凄味をきかせてくる。こちらも身体をはった覚悟しての交渉だったことから、両者譲らず交渉は暗礁に乗り上げようとしていた。とその時、ホテルの責任者の方から「今回はあんたのメンツを立ててやるよ」といわれ長い沈黙の後、解決することができた。お互いホッとし、笑顔で手を握り合った。

                               (新宿区労連 屋代眞)