■第58回 2008/07/15

 オルグの現場から 24
      未組織労働者との絆を結ぶ

▼労働相談を通して何がわかるか。相談を寄せてくる圧倒的多くの労働者は、職場に労働組合がない未組織労働者・非正規労働者です。ですから、ひとことで言ってしまえば、労働組合のない職場の実態をリアルに知ることができます。さらに言えば、今日の日本における労働者全体の今の実情を知ることにつながるのです。▼労働相談では時として組織労働者から見て信じられない内容の相談が飛び込んできます。社会保険労務士を養成する会社で起きた「退職金不払い事件」と「懲戒解雇事件」は、社会保険労務士を養成する会社という性格上、当然のことながら労基法も就業規則も守られているものと思っていましたが、実際はまったくそれとは正反対の無法がまかり通っていました。▼退職金の問題では、就業規則上に明記されているにもかかわらず、会社は創業以来、ほとんどの社員に支払ってきていませんでした。この件については個人加盟の新宿一般労組として団交を行いましたが、会社は支払いを拒否してきたため労働審判を活用しました。ところが驚いたことに裁判所の場で、社長は退職金制度は税金対策(退職引当金)でつくったもので労働者に支払うために作ったものではないと語ったのでした。▼懲戒解雇問題も、懲戒事由にまったく当たらないにもかかわらず退職金を払いたくないがために、「一連托生」等と不可解な理由で労働者を一方的に懲戒解雇にしました。▼この二つの相談は、労働組合に相談がなければ泣き寝入りとなってしまっていた事件です。労働相談活動というのは、既存の労働組合と未組織労働者との絆を結ぶことができるたいへん重要な活動ではないかと思います。

                         (新宿区労連 屋代眞)