■第56回 2008/05/15

 オルグの現場から 22
      これって労働相談?!

▼港区労連が誕生して一六年。この間寄せられた労働相談は、真剣に悩んで相談する人が殆どですが、中には「労働相談」を装って相談する人もいます。事例を二つ紹介します◆一件目は、美容サロンに勤めている男性から「労働組合をつくるにはどうしたらよいか」との相談でした。組織化につながる相談と思い、何度か相談にのっていましたが、ある日突然「労働組合を作った」との報告がありビックリしました。要求や規約、役員体制、結成日、場所なども一緒に相談してすすめるのが通常でしたので疑問も抱きました◆しばらくして今度は、団体交渉拒否で相談され、都労委で争うことになりました。申請はすべて相談なく本人が。依頼された労働者委員から連絡があり、弁護士に会うと社長(女性)と相談者は、元夫婦で離婚に際しての慰謝料を多く取るために「労働組合を利用」していたことが判明しました◆二件目は、お台場の駐車場の警備アルバトで働いていた人からの相談です。「怪我で休んだら解雇された。労働基準監督署に相談したら労災だと言われた。会社と交渉して欲しい」との相談でした。いろいろ状況を聞くとどうもお金に困っているようでした。労働組合はお金を貸すところではないことや労働基準監督署に申請することを勧めてその場は終わりました◆ところが今度は、突然組合事務所にサラ金から電話がありました。サラ金から多額の借金返済に困っていたらしく、港区労連の名刺を渡して「労働事件だから支払いは猶予される」と言っていることがわかりました。結局、これも「労働相談」に名を借りて「借金返済を逃れる手口」として利用しようとしたケースでした◆紹介ケースは稀ですが、相談の内容をよく聞いて“見抜く力”の必要性を痛感した事例でした。
                         (港区労連 高橋 孝)


すぐに役立つ元気の出る労働相談1問1答(冊子紹介)
部内資料:東京地評労働相談弁護団(報告書式等有)