■2006/08/15 第37回

  オルグの現場から B
     いやがらせした会社の方が痛手

  大手商社系列の木材販売会社に勤める三五歳の若者が組合事務所を訪ねてきました。話を聞くと、上司の営業課長に嫌われたようで、「君は営業には向いていない。別の部署に転勤してくれ。転勤地は苫小牧だ」と。相談する組合も無く、どう対応してよいかという相談でした◆まだ三五歳だし転勤命令を断ると懲戒解雇の恐れがあること、転職すると労働条件は今より大幅に下がるであろうこと、自分が一番好きであった今の仕事から離れられるのかなど、奥さんともよく相談して異議をとどめての転勤を、と勧めました◆苦悩の末、転勤を決意したところ、「苫小牧営業所では君を必要としていないので、来年三月末でやめてくれ。四ヶ月あるので仕事を見つけることに専念して、出社にはおよばず」と。なんのことはない、会社は最初から彼を辞めさせようとしたわけです◆団体交渉には江東区労連のほか、東京労働相談センター所長の前澤さんにも参加していただきました。会社はあくまで金銭解決を譲らず、規定の約二倍まで出してきましたが、私たちの要求からは程遠いものでした。粘り強い交渉の結果、会社は解雇命令を撤回せざるを得ませんでした。一定の決断をしたわけです◆この交渉の中で、会社は大きな犠牲を払うこととなりました。それはこの問題で窓口となった人事部長さんが、「心」の病になってしまい、会社を辞めることになってしまったのです。私も責任を感じてしまいますが、つくづく人事の管理職も大変なのだと思った次第です◆この若者はいま、経理のソフト開発の重要な部署で、責任者として頑張っています。また、一人組合員としてもがんばっています。

                     (東京労連専任オルグ 門川久雄)

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