◆第95話(江戸東京野菜・Y) 2011/04/15

         江 戸 切 り 子  (えどきりこ)

ワイングラス(足長・赤)
  今昔Yは「工芸品」です。
江戸切子は江戸後期の一八三四(天保五)年、江戸伝馬町のびいどろ屋・加賀屋久兵衛がガラス器に金剛砂(研磨材)を用いて彫刻を施したのが始まりとされています(それ以前は舶来品)。

  当時は大半が透き(透明)でカットが深く、すっきりとした仕上がり。鉛の含有量が多かったため、傾けるとプリズム効果で虹色に輝いたとか。ちなみに薩摩は藩主主導で開始され、色被せガラスが特徴でした。

明治に入ると、国営硝子製造所(現・品川区北品川)ができ、招聘されたイギリス人技師の技術を導入、また衰退した薩摩切子の職人の流入もあって技法等が確立されていきます。大正から昭和にかけて最盛期を迎えました。

しかし、戦時中は職人の出征や疎開、軍需生産への動員があいつぎ、主要生産地であった下町も空襲で大きな被害を受けました。戦後の復興期を乗り越えて一九八五年に東京都、二〇〇二年には国の伝統工芸品指定に(現製造地は江東・墨田・江戸川ほか)。カットグラス工業協同組合(亀戸)では展示・販売のほか体験も可能とのこと。興味のある方はいかがでしょうか。

★写真 ワイングラス(足長・赤)