◆第71話 2009/03/15

             豊 嶋 郡 衙(としま ぐんか)

御殿前遺跡
  武蔵国は21の郡からなっており、豊嶋郡はその中のひとつです。豊嶋郡の役所である豊嶋郡衙跡が発見されたのは、 御殿前遺跡の発掘調査が行なわれた昭和58年(1983年)のことです。

  豊嶋郡衙は、上野から赤羽にいたる武蔵野台地の本郷台の王子駅から上中里駅に沿った崖線上にありました。記念碑は滝野川公園内(写真)に設置されています。古代の役所である豊嶋郡衙には、政庁域と正倉院があり、正倉院には稲籾を収める「正倉」と大型の倉「法倉」などが整然と並んで建てられていました。

  復元された「正倉」は「北区飛鳥山博物館」で見ることができます。豊嶋郡は、北区、板橋区、荒川区、台東区、文京区、豊島区におよそ該当し、合計面積は約一四五平方キロメートルあり、推定人口は八千人前後と言われています。

  さて、東京労働会館は豊嶋郡の七つある郷の中で豊島台にあった日頭郷(ひのとうごう)と思われます。七世紀後半から一〇世紀にかけて存在していました。


(東京地評 永瀬 登)