◆第36話 2006/04/15

         古池や………

隅田川に臨む芭蕉像
 


 俳句ほどやっかいなものはない。もしも、芭蕉という名も、その高名なることも知らずに、

 ふる池や
   蛙飛びこむ
     水の音

 の句を示されて、評価を問われたら、自分が飛びこみたくなるほど困るのではないか。この句は「蕉風開眼」の句とされている。
 作ったところは隅田川に小名木川が合流する万年橋の北詰にあった「芭蕉庵」。

 東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線の「清澄白河」駅から五、六分、その跡地に芭蕉稲荷がたち、芭蕉の像も作られていた。近くに「芭蕉記念館」もある。
 さて、この古池の句の蛙が我々の頭を混乱させる存在で、「蛙は、水に飛びこまなかった」という主張がある。論者は、朝日新聞の俳句選者をされていた人物である。
 17文字の「宇宙」はミステリアスである。そこで、こんなのはいかが?

 古池を
  ところ払いといたすべし
    人さわがせな蛙一匹

        (元全信労芝信従組 福田克己)