◆第34話 2006/02/15

         再び、日本橋

現、日本橋
 この連載の最初の訪問地は、「お江戸」の象徴、日本橋であった。
 カメラをかまえた時の失望感を忘れることはできない。威圧的な高速道が頭上にのしかかって、橋は薄暗かった。
 「ムードも何もない。誇りを傷つけられた橋は、憂うつそうな顔をして建っていた」と書いた。

 その時、自分の頭に浮かんだのは、旅行で出会ったハイデルベルクの古い橋のことである。「カール・テオドール橋」。ネッカー川の豊かな流れをまたぐレンガ造りの橋は、陽気なツアー客でにぎやかだった。

 世界の歴史ある街には、「街の顔」とも言うべき橋が、いくつもある。橋には音楽家が立ったり、土産物屋が店を開いたりする。

 日本橋も、一日も早くそうした橋に戻って欲しいと願った。そして、地元には「高速道をとり払え」の運動があると聞いた。そうした声に押されて、政府も高速道路を変更する方向だという。楽しみである。
 
(元全信労芝信従組 福田克己)