◆第33話 2006/01/15

         渋谷のハチ公

渋谷のハチ公
 
 今年は戌(いぬ)年。ハチ公の年だろうと渋谷へ行ってみると、誰が贈ったものか、彼は温かそうなセーターを羽おっていた。

 犬は、人間の一番古い友だちである。三万年前に、すでにネアンデルタール人が飼っていたことが知られている。日本では、約九千二百年前までさかのぼる。

 つまり、縄文犬だ。太古の人間は、狩りでの犬の手助けなしには生きられなかった。「犬公方」でなくとも、「お犬さま」と呼びたくなるではないか。
 こんな親しい間柄なのに彼らの祖先は何かを特定できずにいる。ジャッカルだろうとか、オオカミだとか、論争は続いている。

 東京地方の「いろはかるた」は、「犬も歩けば棒に当たる」である。本来は「物事を行う者は、時として禍いに出会う」ということであったが、今は逆で「何かいい事に出会える」という意味で使われている。

 歴史の中で、言葉は変わるものだ。やがて「改革」は「悪事を行う事」などと辞書に載るかもしれない。
(元全信労芝信従組 福田克己)