◆第29話 2005/09/15

         ト ウ ケ イ ?

大正3年建造の東京駅
 
 「天下さま」(徳川)の世の中から、「天子さま」(天皇)の世に変わった、なんて言ってるけど、ほんとにうまくやれるのかい?

 −−慶応四年(一八六八)九月八日、新政権は、年号を「明治」と変えた。少し前には、江戸を「東京」と呼び変えている。

 だが庶民は、「上の方」のゴタゴタを、冷めた目で見ていた。

 上からは 明治だなどと いふけれど
   おさ(治)まるめい(明)と
     下からは読む

 「東京」とは、西の京(京都)に対する命名である。 その読み方も「トウキョウ」派もいれば、「トウケイ」派もいる、といった有様で、森鴎外や二葉亭四迷など文人らは、「トウケイ」と読んだという。

 アムステルダム駅がモデルの美しい東京駅。そこでのアナウンスも「トウケイ、トウケイです」となる可能性もあった訳だ。

 首都を決める際も、京都、つぎに大阪、最後に東京へと二転三転。実に目まぐるしかった。

                            (元全信労芝信従組 福田克巳)